システムコンサルタント事件 東京地方裁判所(平成10年3月19日)

(分類)

 労災

(概要)

1.コンピュータソフトウェア関連業務に従事し、脳出血により死亡した労働者の遺族が行った損害賠償請求につき、同人の死亡は、その基礎疾患である本態性高血圧が、慢性的な長時間労働による過重業務により増悪したものであり、業務と死亡との間の相当因果関係が認められること、使用者は、高血圧症に罹患する労働者が致命的な合併症を生ずる危険があるときは、持続的な精神的緊張を伴う過重な業務に就かせないようにしたり、業務を軽減すべき配慮義務を負うところ、会社は同人に過大な精神的負担がかかっていることを認識できたにもかかわらず、特段の負担軽減措置をとることなく過重な業務を継続させたと認められることから、会社の安全配慮義務違反が認められるとして認容された事例。

2.使用者は、労働者が高血圧に罹患し致命的な合併症を生じる危険があるときは、本人の申出や医師の指示の有無にかかわらず、過重な業務に就かせないようにするなど業務を軽減するべき安全配慮義務を負う。

(判例集・解説)

 判例時報1641号54頁  判例タイムズ973号269頁
 労働判例736号54頁  労働経済判例速報1675号3頁

 

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