中村自動車事件 最高裁第3小(昭和52.5.27)

(分類)

 労働災害

(概要)

 第三者行為災害の場合の損害賠償請求について、「政府が保険給付又は損害補償をしたことによって、受給権者の第三者に対する損害賠償請求権が国に移転し、受給権者がこれを失うのは、政府が現実に保険金を給付して損害を填補した時に限られ、いまだ現実の給付がない以上、たとえ将来にわたり継続して給付されることが確定していても、受給権者は第三者に対し損害賠償の請求をするにあたり、このような将来の給付額を損害額から控除することを要しない」とするもの。

 地方公務員共済遺族年金控除事件(平成5.3.24)により、既給付分に加え、口頭弁論終結の日に受けることが確定している月分(地方共済年金の場合、3か月分をまとめて次の支給日に支払うこととされているので、当該次の支給日に支払うことが確定している月分)までを控除することに微修正する判例変更がなされたと考えられる。

(注)使用者責任災害の場合に、三共自動車事件判決が同旨であるが、使用者責任災害の場合には、労災保険法の55年改正により調整が図られている。

(関係法令)

 労働災害保険法  労働基準法  民法

(判例集・解説)

 判時857・73  判タ350・269  

(関連判例)

 三共自動車事件 最高裁第3小(昭和52・10・25) 
 青木鉛鉄事件 最高裁第2小(昭和62.7.10) 
 高田建設従業員事件 最高裁第3小(平成1・4・11) 
 NTT東日本北海道支店事件 最高裁第1小(平成20.3.27)  

 

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