奈良いすず自動車事件 大阪高裁判決(昭和49年1月23日)

(分類)

 諭旨解雇

(概要)

 会社首脳部の経営方針に批判的な従業員が訴外親会社に首脳部批判の文書を送付したこと等を理由に任意退職を勧告され、退職金等の増額のため諭旨解雇扱いで退職した後、雇用関係存続確認を請求した事件。 (原審 請求棄却)

 以上認定の事実より考えると、控訴人は、昭和40年4月12日、被控訴人の勧告に応じて退職届を提出し、被控訴会社はこれを受理して右退職を承諾したものであり、被控訴会社と控訴人との間の本件雇傭契約は、退職辞令こそ発付されていないけれども、実質上は双方の合意解約により終了したものというべきである。ただ本件雇傭の終了に伴う事務処理において、被控訴会社は、控訴人の要請に応じ、退職金の実質的な増額支給という目的達成のための方便として、控訴人の同意のもとに、諭旨解雇の名目と形式を採用したに過ぎないものと認めるのが相当である。

(関係法令)

 労働基準法2章

(判例集・解説)

 労働判例195号48頁

 

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