コンピューター・メンテナンス・サービス事件 東京地裁判決(平成10年12月7日)

(分類)

 セクハラ

(概要)

 男性派遣労働者による派遣先女性社員に対するセクシュアルハラスメントを理由とする懲戒解雇につき、解雇権の濫用に当たらず有効とされた事例。  棄却(控訴)

 原告のAに対する一連の行為は、Aが不快感を示していたにもかかわらずなされたもので、その態様も執拗かつ悪質であり、Aに相当程度の苦痛と恐怖を与えたものである。その結果、ついにAは上司に訴えるところまで追いつめられたのであり、被告の顧客であるB商店が、C社長自ら被告に赴いて苦情を言わなければならない程度にまで至っていたのであるから、原告の行為がB商店においてその職場内の風紀秩序を著しく乱し、ひいては被告の名誉・信用を著しく傷つけたことは否定できないというべきである。なお、原告の行為は、被告からの派遣先の職場内におけるものであるが、原告は、被告の従業員であり、B商店は被告から指定された就労場所であるから、派遣先においても被告の指揮命令に服さなければならないことはもとより、原告には懲戒処分も含めて被告の就業規則が適用されることは当然である。  したがって、原告の一連の行為は、就業規則59条10号、60条4号、17号、18号に該当するというべきである。

(関係法令)

 民法1条3項  労働基準法89条1項9号  男女雇用機会均等法21条

(判例集・解説)

 労働判例751号18頁  労経速報1692号27頁

 

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