JR東日本(高崎西部分会)事件 最高裁第1小(平成8・3・28)

(分類)

 団体交渉  懲戒

(概要)

1.団体交渉を求めての押問答の過程で起きた、事務室無断立入り、退去通告無視を理由とする厳重注意処分が不法行為であることを理由とする損害賠償請求を棄却した原審判決が、右厳重注意処分はこれを受けた者の職場における信用評価を低下させ、名誉感情を害するものとして、法的利益を侵害するものであり、右厳重注意処分の対象となった行為に当該労働者が参加していたと判断したことに相当な理由があったかどうかを検討することなく不法行為の成立を否定することは許されないとして、最高裁において破棄差戻しされた事例。

2.労働契約関係に基づいて企業秩序維持のために必要な措置を講じる権能を行使する使用者は、それが従業員の法益を侵害する性質を有している場合には、相当な根拠、理由もないままそのような措置をとってはならず、そのような性質を有する措置がとられた結果、従業員に損害が生じた場合には、相当な根拠事実の存在が証明されるか、又は使用者においてそのような事実があると判断したことに相当の理由があると認められるときでなければ、不法行為が成立する。

(関係法令)

 労働基準法  民法

(判例集・解説)

 裁判所時報1169号1頁  判例タイムズ906号231頁
 判例時報1565号139頁  労働判例696号14頁

(関連判例)

 富士重工業事件 最高裁第3小(昭和52・12・13)  
 国鉄札幌駅事件 最高裁第3小(昭和54・10・30)  

 

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