エフピコ事件 水戸地裁下妻支部判決(平成11年6月15日)

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 損害賠償  解雇

 「茨城県の工場で、現地採用され勤務してきた労働者6名に対して広島県福山市の本社工場への転勤を命じ、転勤に応じられない労働者が明示、黙示の圧力をかけられ退職を強いられた。退職後の労働者が退職金差額、逸失利益、慰謝料などを請求して提訴した。」

 この判決では、労働者がその意に反して退職させられない権利を侵害されたものであるとして、会社に債務不履行ないし不法行為責任を認め、
 〈1〉逸失利益として6ヶ月分の賃金相当額
 〈2〉受領済み自己都合退職金と会社都合退職金との差額
 〈3〉慰謝料(50万円若しくは100万円)
 〈4〉弁護士費用
を認めた。

 権利の濫用による解雇、退職強要等に対して、復職する意志はないが相当な金銭的補償を求める場合の損害賠償の内容としては、以下のことが考えられる。

[1]逸失利益
 違法な解雇、退職強要等により退職に追い込まれなければ、その会社で得たであろう賃金相当額が請求できる。
[2]慰謝料請求
 違法な解雇、退職強要等により、精神的損害が発生した場合には慰謝料の請求ができる。
[3]会社都合退職金との差額
 自己都合退職の退職金しか支払われてない場合には、会社都合退職金との差額を請求する。

 

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