低酸素脳症

 循環不全または呼吸不全などにより十分な酸素供給ができなくなり、脳に障害をきたした病態を低酸素脳症といいます。

 低酸素脳症には、通常、組織への血流量の低下(虚血)と血液の酸素運搬能の低下(低酸素血症)の2つの病態が混在していることが多いため、低酸素性虚血性脳症とも呼ばれています。

 原因として、心筋梗塞、心停止、各種ショック、窒息などが挙げられます。
 心停止により脳への酸素供給が途絶えると意識は数秒以内に消失し、3~5分以上の心停止では、仮に自己心拍が再開しても脳障害(蘇生後脳症)を生じます。
 蘇生後脳症の転帰不良を予測する因子としては、自己心拍再開後24時間以内のミオクローヌス・てんかん重積状態の出現,瞳孔反応や角膜反射の消失、および3日後の運動反応の消失または四肢の異常伸展反応があげられます。

 治療として、単に血圧を維持するだけでは生存率・社会復帰率の改善に繋がらず、全身の臓器および末梢組織への血流を維持することが重要です。
 さらに、心停止蘇生後脳症患者では、侵襲性高血糖や代謝亢進に基づく高体温が発生することが多く、これらの高血糖,高体温は神経学的転帰を悪化させる重大な要因です。したがって、これらを予防、管理するとともに、適切な呼吸循環管理により二次性脳障害を最小限にすることが必要です。

 

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