嚥下障害

 嚥下障害とは嚥下困難とも呼ばれ、食べ物や唾液を飲み込むことがつらい状態をいいます。
 耳嚥下障害の症状に対する検査では、喉頭鏡検査や喉頭内視鏡検査、食道内視鏡検査によって喉の状態を確認します。
 また、胸部Ⅹ検査やCT検査、MRIなども行うことがあります。

嚥下障害の症状から考えられる病気
  声帯麻痺、重症筋無力症、逆流性食道炎、咽喉頭異常感症、全般性不安障害、うつ病、食道アカラシア、食道がん、扁桃炎、扁桃周囲膿瘍など

 声帯麻痺とは、声を出す筋肉の収縮をつかさどる反回転神経が麻痺する病気です。声帯麻痺になると、食べ物を飲み込むときにむせやすくなりますが、痛みはありません。

 重症筋無力症とは、免疫異常が原因で筋力低下を引き起こす病気です。
嚥下障害のほかに、手足の力が入らない、まぶたが下がる、といった症状がみられます。

 逆流性食道炎は、胃液や十二指腸液が食道に逆流して、食道内に粘膜に炎症が起きる病気です。特徴的な症状は胸焼けで、その他に胸の痛み、食べたときの食道付近の詰まった感じ、咳や喘息のような発作を引き起こします。

 咽喉頭異常感症では喉に何か異物感がある感じを訴える病気です。物を飲みにくい違和感を感じますが、喉には疾患はみられません。この原因には、甲状腺機能異常やがんなどの要因が隠れていることがあります。

 咽喉頭異常感で検査を行っても異常がない場合は、うつ病や全般性不安障害といった心の病気から身体症状があらわれている可能性があります。

 食道アカラシアとは食道の筋肉が緊張して、食道のぜん動運動ができない状態をいいます。 
 食べ物を飲み込むときに、胸がつかえる感じを覚え、胸部の痛みや圧迫感といった症状もみられることもあります。

 食道がんはタバコ、お酒、刺激のある食べ物が原因であると考えられています。嚥下障害のほかには、体重減少や胸がつかえる感じを覚えたりします。

 扁桃炎は扁桃に炎症が起こる状態で、急性扁桃炎と慢性扁桃炎があります。
 風邪の後に喉が痛んで嚥下障害を引き起こす場合は急性扁桃炎の可能性があります。

 扁桃周囲膿瘍とは、扁桃炎が進行して扁桃の外側に膿が溜まって大きく腫れる状態です。激しい咽頭痛、物を飲み込むのがつらい嚥下障害、発熱、口を開けることが困難になる開口障害等の症状がみられます。

 

 そしゃく・嚥下機能の障害は、歯、顎(顎関節も含む)、口腔(舌、口唇、硬口蓋、頬、そしゃく筋等)、咽頭、喉頭、食道等の器質的、機能的障害(外傷や手術による変形、障害も含む)により食物の摂取が困難なもの、あるいは誤嚥の危険が大きいものであるとされています。

 食道の狭窄、下、航空、咽頭の異常等によって生じる嚥下の障害については、咀嚼機能の障害に準じて、すなわち、摂取し得る食物の内容によって認定を行います。例えば、舌に腫瘍(または炎症)ができて地元のクリニックを受診したとします。その後、腫瘍(炎症)が治らないため大学病院を紹介されて癌の告知を受けたとします。この場合には、因果関係がありますので、地元のクリニックでの初めての受診日が障害年金での初診日となります。

 食べ物を摂ることができなかったり、誤嚥する可能性が強い場合に認定対象となりますが、「そしゃく機能」の障害と「誤嚥」による障害が重複している方でも、「併合認定」の取り扱いはしないとされます。 

 そしゃく・嚥下機能の障害言語障害の一部は、口内癌(上顎癌、下顎癌)などで生じ、並存することが多い。この場合には、併合認定の扱いをします。

 

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