老年性精神病

 老年期に新たに発症する場合の症状の特徴は、体系的な妄想(訂正がきかない誤った思い込み)が主症状であり、幻覚は伴うことも伴わないこともあります。

 妄想の内容としては「いやがらせをされる」「家屋や敷地内に侵入される」「物を盗られる」などといった被害関係(ひがいかんけい)妄想が最も多く、その他心気(しんき)妄想、嫉妬(しっと)妄想、誇大(こだい)妄想などがみられます。若年発症の統合失調症に比べると、高齢者でみられる妄想の主題は現実的、具体的であることが特徴であり、その人の日常生活状況に即したいかにもありそうな内容がみられます。また、妄想の対象も隣人や家族、配偶者など身近な者がなりやすいといわれています。  幻覚は幻聴(げんちょう)が最も多く、音楽や、壁や床を叩く音などの非言語性の幻聴、あるいは自分のことを批評したり話しかけてきたりする幻聴などがみられます。また、体に電気やレーザー光線をかけられるといった体感(たいかん)幻覚もしばしば認められます。 一方、若年発症の統合失調症でみられるような思考障害や感情の平板化、自閉(じへい)などの陰性症状を伴うことはまれです。また、人格の崩れは目立たず疎通(そつう)性も良好であり、警察に訴えたり近隣とトラブルになったりするなど、幻覚・妄想に左右された行動がみられる以外は、社会適応も比較的良好であることが特徴です。発症に男女差があり、女性で多いことも指摘されています。

治療とケアのポイント
 老年期精神病に対する治療の中心は、抗精神病薬による薬物療法です。薬物代謝能力が低下している高齢者では副作用が生じやすいため、できるだけ少量から始めることが基本です。主な副作用としては、表情が乏しくなる、体の動きがぎこちなくなるなどの錐体外路症状や起立性低血圧などがあります。

 

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