ポイント制賞与
基本給連動型の賞与制度の場合は、まず支給月数を決定し、その支給月数に基本給を乗じることによって賞与を計算します。そしてその結果として賞与の支払い可能原資を上回れば、改めて支給月数を調整するという結果として原資を調整する方式です。
ポイント制の場合は、はじめから賞与原資を確定し、それを配分するという方式です。
ポイント制のメリット
(1) 業績賞与制度に最適
まず賞与原資を確定し、それを一定のルールにしたがって配分するという方式のため、決算賞与など業績配分の方法としては最適です。
(2) 賞与の配分を政策的に行うことができる
例えば年功的な要素を多くしたいのであれば、勤続ポイントを、グレード中心の配分を行ないたいのであればグレードポイントを、役割評価的な運用を強めたいのであれば役割ポイントを多くすることによって賞与の配分を政策的に調整することができます。
また、制度の切り替えの際にも、当初は勤続ポイントの比重を高めに設定し、その後数年かけてグレードポイント及び役割ポイントの比重を高めることによって、制度のソフトランディングを図ることができます。
(3) 正規分布を取る必要がない
基本給連動型の賞与制度は、評価結果が上方偏向を起こすと賞与原資が膨らんでしまう為に、評価結果の正規分布を維持する必要性があります。そのため、たとえば、本来はB評価であったとしても無理に評価結果を変更し、C評価にするという様な状況が見られます。しかしこれでは人事管理の根幹をなすはずの人事評価制度が骨抜きになってしまいます。
ポイント制では仮に全員がS評価であったとしても相対的にポイント単価が低下するだけですから、正規分布を取る必要はありません。
氏 名 |
能力P |
役割P |
勤続P |
合計P |
A氏 |
275 |
55 |
35 |
365 |
B氏 |
240 |
36 |
25 |
301 |
C氏 |
150 |
10 |
15 |
175 |
D氏 |
100 |
0 |
5 |
105 |
合計 |
946 |
S |
120 |
144 |
180 |
240 |
300 |
A |
110 |
132 |
165 |
220 |
275 |
B |
100 |
120 |
150 |
200 |
250 |
C |
90 |
108 |
135 |
180 |
225 |
D |
80 |
96 |
120 |
160 |
200 |
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