障害年金の請求方法
障害年金の請求方法には、主に以下のタイプがあります。
障害認定日請求(本来請求)
認定日請求(本来請求)とは、初診日から1年6ヵ月経過した日である障害認定日時点での診断書を取得し、その障害認定日から1年以内に請求することです。
原則として、障害認定日から3ヵ月以内の現症日の診断書が必要となります。
受給権が発生するのは障害認定日からで、障害年金の支給は障害認定日の翌月分からとなります。
遡及請求
遡及請求とは、初診日から1年6ヵ月経過した日である障害認定日時点で、何らかの理由で請求しなかった場合に、障害認定日から1年以上経過した後で障害認定日時点に遡って請求することです。
原則として、障害認定日から3ヵ月以内の現症日の診断書と、請求日前3ヵ月以内の現症日の診断書の2枚が必要となります。
受給権が発生するのは障害認定日からで、障害年金の支給は基本的に障害認定日の翌月分から(経過分については初回振込時に支給)となります。請求日が障害認定日から5年以上を経過している場合、遡及による支給は時効の関係で5年前の分までとなります。
事後重症による請求
障害年金の受給要件では原則として、障害認定日において障害認定基準に定める程度の障害の状態に該当しなければ受給できません。しかし、病気やケガによっては、障害認定日では比較的軽症であったが、その後、徐々に重くなり、重症になってしまうことがあります。このような場合、1年6月ヵ目の障害の状態のみでは後日どんなに悪化しても障害年金が支給されなくなり、徐々に悪化するような病気の人などは非常に不利益になります。事後重症による請求とは、その後65歳に達する日の前日までに障害が悪化し、障害等級に該当する状態に至った場合に請求することです。請求日前3ヵ月以内の現症日の診断書が必要になります。
初診日から1年6ヵ月を経過した障害認定日時点には障害等級に該当していなかった場合に、障害認定日時点で医療機関を受診していなかったり、当時のカルテが保管されていないなどの理由で障害認定日時点における診断書が取得できない場合も、基本的にこの事後重症による請求となります。
65歳以降はこの請求は出来ないので、65歳の誕生日の前々日までが請求期限となります。
ただし、老齢基礎年金の繰上受給により既に年金を受けている人は事後重症による請求はできません。
本来の請求(障害認定日請求)ですと、障害認定日に受給権が発生しますが、事後重症の場合は請求した日に受給権が発生し、支給は請求月の翌月からとなります。遡りはありません。
なお、事後重症の請求をしたが、不該当であった場合、65歳までの間であれは何度でも事後重症の請求をすることができます。
新法では、事後重症の請求を65歳過ぎにすることはできません。しかし、旧法では、昭和61年3月31日までに65歳未満で、かつ、病状が1、2級に該当していれば、65歳を過ぎても事後重症の請求はできました。
障害認定日の診断書が無くても「障害認定日による請求」として認められたケースもあります。
脳性麻痺による障害で、医学的に請求時点と障害認定日(このケースでは20歳到達時点)とで状態が変化することはない。と証明されたケースで、障害認定日で受給権が発生したとして、そのうち時効がきていない5年分が遡及して支払われたケース。
初めて2級による請求(基準傷病請求)
3級以下の軽度の障害の状態にあるものが新たに発した傷病のため、併せると障害が重くなる例はよくあることです。このように、新たな障害と既存の障害とを併せて、障害認定基準2級以上の障害の状態となったときは、障害基礎年金の請求をすることができます。この制度を「初めて2級による障害年金」といいます。
仕組みは以下のとおりです。
① 65歳まで障害を併せて障害認定基準に該当する症状であること
新たな障害と既存の障害とを併せて、65歳に達する日の前日までに障害認定基準2級以上の障害の状態となっていることです。
65歳までの症状が軽く、65歳以降に障害認定基準の2級以上の障害の状態になっても請求はできないことになります。
② 既存の障害は3級以下であること
新たな傷病(基準傷病)を併せる条件として、既存の障害は2級以上でないことが前提となります。
④ 本人が請求することにより初めて受給権発生
「初めて2級以上による障害年金」は、本人の請求を行ったことで初めて受給する権利が発生することになっています。
障害認定日請求と違いまして、後発の傷病(基準傷病)の初診日から1年6月経過しなくても請求できる場合があります。
併合して2級に該当した時期が65歳の誕生日の前々日(65歳に達する日の前日)であることが立証できれば、65歳以降であっても請求できます。
請求日前3ヵ月以内の基準傷病(後発の障害)の診断書と、請求日前3ヵ月以内の前発の傷病の診断書の2通が必要となります。
受給開始は、請求をした月の翌月分からとなります。
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