障害年金を遡及請求する場合の留意点

 障害認定日への遡及請求をする場合は、「病歴・就労状況等申立書」をいかに書くかが、遡及認定されるか否かに大きく影響してきます。

 例えば、「躁うつ病(双極性障害)」で、躁の周期のときは会社に在籍し厚生年金に加入中のことがあります。審査側は申請人本人の厚生年金資格の得喪記録から就労状況を把握します。厚生年金の加入期間が短ければ一時的な就労と判断してくれますが、長期にわたりますと、労働が普通にできていたと判断されかねないのです。

 遡及請求を行う場合、長期にわたり労働ができていたという事実は、認定上は不利に働きます。多くの場合、会社に籍があっただけで、就労の実態は、欠勤を繰り返していたり、休職をしていたりします。「病歴・就労状況等申立書」にはこのことを明記し、労働に制限があったことを訴えることです。会社に在籍していた期間の就労や勤怠の状況(欠勤の頻度、休職の期間にもよりますが)をしっかりと書いてください。

 ポイントは「病気の継続性」の表現です。

 会社に勤めていたりすると、審査ではその期間については悪い状態が継続していたとは認めてくれないことがあります。いくら障害認定日と現在の状態が悪かったとしても、病状の継続性がなければ遡及は認められないのです。過去に会社に在職していたとしても、欠勤を繰り返していたり、休職していたことを必ず明記しておきましょう。

 入院、自傷行為といった経験がある方は、必ずそのことを申立書に書き、症状の悪さを訴えてください。診断書の内容はそれほどふるわなかったものの、入院を繰り返していたことが評価され遡及が認められるケースもあるからです。