構音障害

発声と構音
 発声は「声を生成する」ことで、肺から吐き出される空気の流れ(呼気(こき))を用いて喉頭(こうとう)にある声帯を振動させ、音声をつくり出す現象をいい、これが妨げられることが「発声障害」です。この喉頭でつくられた音声を元にして、それより上方にあるさまざまな器官(構音器官)により、いわゆる「話し言葉」をつくり出します。これが「構音」動作であり、その障害を「構音障害」といいます。

 「正確な構音ができない状態」あるいは「語音をつくる過程の障害」が構音障害です。構音の発育は言語の発育の一部となっています。すなわち、幼児期において構音は発達途上にあるため、言語発達に応じた評価が必要です。生後数カ月で喃語(なんご)が現れ、その後徐々に発達しておおよそ6〜7歳ごろまでに完成します。いいかえれば、小学校入学以降も正常な構音を獲得できていないようであれば注意が必要です。

構音障害の原因と分類
 構音障害はその原因によって、器質性構音障害運動障害性構音障害機能性構音障害に分けられます。

器質性構音障害
 構音器官の形態的障害によるものをいいます。先天性の形態異常としては口蓋に問題がある口蓋裂(こうがいれつ)、粘膜下口蓋裂、先天性鼻咽腔(びいんくう)閉鎖不全、口唇の形態異常、舌の形態および機能異常があります。後天的な欠損としては、舌腫瘍(ぜつしゅよう)に対する舌切除術などが原因になります。

運動障害性構音障害
 発声発語に関わる神経や筋肉の病変によって起こる、話し言葉の障害です。脳血管障害や神経筋疾患により起こる錐体路系の障害(運動麻痺)、錐体外路系の障害(不随意運動や筋硬直)、小脳の障害(協調障害)などの運動系の障害によって起こります。

機能性構音障害
 構音器官の形態的異常や、神経系の障害の原因となるものが認められない構音障害と定義されますが、これには構音の稚拙(ちせつ)さや誤った習慣によるものが含まれます。
 (1)言語発達の遅れに関連するもの
 (2)構音器官の運動機能の遅れによるもの
 (3)言語環境の問題
などがその原因としてあげられます。

検査と診断
 診断としては、言語の検査、構音器官の形態と機能の評価、鼻咽腔閉鎖機能の検査が必要です。難聴によっても起こるため、聴力検査が必要な場合もあります。

 また、幼児の場合は知能および言語発達の評価も行います。

治療

 訓練をすれば治るとのことですが、自分で治そうとしても難しいそうです。自分の聴覚が歪んでいるため、正しい発声が認識できないのです。そのため適切な音声学的構音指導を受けることが必要です。この指導に寄って、ほぼ例外なく、短い期間で正常に達することができるそうです。

 

 音声又は言語機能の障害(特に構音障害)とそしゃく・嚥下機能の障害とは併存することが多い。その場合、両者は併合認定されます。

 

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