肺気腫

 肺はちょうどスポンジの泡状の肺胞と呼ばれる小さな空洞の集まりです。
 肺気腫ではこの空洞が壊れて大きくなります。肺では酸素を取り入れていますので、肺胞が壊れてくると十分な酸素が取り込めなくなります。そのため息切れが起こるのです。

 肺気腫の主な症状は息切れです。息切れの程度は様々です。病気の症状の最初は軽く、坂道や階段を登った時だけに現れます。それが段々と進行していき、平地を歩いていても息切れするようになります。最終的には話をするのも息苦しくなります。他の症状としては慢性の咳でしばしば一日中でます。
 肺気腫の症状の特徴してはゆっくりとですが徐々に悪くなって行くこと、毎日出現すること、運動時に悪化することなどがあげられます。毎日でないような場合は喘息や心臓病などほかの病気を考えなければなりません。また風邪などをひくと息切れは強くなります。診断には肺活量の測定(正確には1秒率といって肺活量のどれだけが最初の1秒間ではき出せるかといった指標などを用います)を行います。また胸のレントゲン写真も特徴的な変化が現れますので、これも用います。CTも診断には有用です。
 肺気腫の一番の原因はタバコです。肺気腫はタバコを吸っている人がすべてなる病気ではありません。タバコで肺胞が壊れやすい人がいます。このような人がタバコを吸い続けると肺胞は段々と壊れてきます 。
 残念ながらいったん壊れてしまった肺胞は元には戻りません。ですから肺気腫になると一生息切れと付き合うことになります。人間の肺の機能は年とともに低下してきます。肺気腫の患者さんでは人に比べてこの機能のおちかたがきつく、最悪の場合天寿を全う出来なくなります。しかし、禁煙をすると肺機能の悪くなりかたがましになり 肺の機能の悪くなりかたがゆっくりになります。

 途中で禁煙した場合には肺の機能の悪くなりかたがゆっくりになるのがわかります。
 治療の第一は禁煙です。禁煙なくしては肺気腫の治療をいくら行っても効果が上がりません。

 肺気腫の進行は緩慢ですが、放置するとさらに肺性心に移行する場合があります。

 薬物療法としては気管支拡張剤がもっとも使われています。これは壊れた肺胞を元に戻す薬ではありませんが、吸入薬で用いられることが多いです。このほかテオフィリン製剤と呼ばれる飲み薬が使われることもあります。この薬も気管支拡張作用がありますが、ほかに呼吸をつかさどっている筋肉の力を増強することが知られています。

 いよいよ呼吸困難が強くなると酸素吸入という方法もあります。
 酸素吸入というと病院でしか出来ないように思われがちですが、空気中から酸素を取り出して濃縮し、濃度の高い酸素を吸入できる機械があります。

 

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