在宅酸素療法

 在宅酸素療法とは、病院ではなく在宅で酸素吸入をする治療法です。酸素吸入に使用する装置は主に酸素濃縮装置です。酸素ボンベから専用のチューブを鼻に通して酸素を吸入します。

 病状が安定していても、血液中の酸素が低いために長期入院を余儀なくされている患者さんに対してこの治療法を行なうと、患者さんとその家族にとって、本来の人間的な家庭生活が可能になり、その意義は、医学的にも社会的にも高く評価されます。

在宅酸素療法の対象となる病気

 在宅酸素療法の対象となる病気は、肺気腫間質性肺炎、肺繊維症、肺結核後遺症など、呼吸器疾患が大半を占めます。そのほか、心疾患、神経疾患、癌など、さまざまな疾患が対象となります。

 

酸素吸入量

 Ⅰ型呼吸不全では、炭酸ガス蓄積がありませんので、十分量の酸素を吸入させることができます。一般的には、吸入酸素流量は2~4ℓ/分が適当です。
 Ⅱ型呼吸不全では、不用意に高流量の酸素を吸入しますと、血液中の炭酸ガスが上昇し、頭痛や意識障害をおこすことがありますので、低流量の酸素吸入をする必要があります。一般的には、0.5~1.5ℓ/分が適当です。

 

歩行時の酸素吸入流量
 慢性呼吸不全の人では、歩行時にPaO2が大幅に低下することが多く、間質性肺炎、肺線維症や肺気腫の場合は、とくにその傾向があります。歩行時の吸入流量のおおまかな目安は、安静時の2~3倍程度です。しかし、正確な流量は、指先に装着して酸素飽和度が測定できるパルスオキシメーターを用いて決定します。
 具体的には、日常生活で歩行しているのと同程度の速度で数分間歩行しながら、この器具で酸素飽和度を測定し、酸素飽和度が90%以上を維持できるように酸素吸入流量を決定します。

 

 常時(24時間)の在宅酸素療法を施工中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定されます。臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定されることがあります。
 障害の程度を認定する時期は、在宅酸素療法を開始した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とします。 

 

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