会社都合退職

 会社都合退職とは、通常、会社が倒産したり清算状態に入ったりして社員を解雇したり、あるいは会社の経営不振により社員を指名解雇したりして、社員が会社を退職する場合をいいます。いいかえれば、本人の意思に基づかない退職であって、その退職が使用者の責に帰すべき事由による場合であるといえます。

 裁判例にて会社都合退職に該当するか否かの基準をあげてみますと、次のようになります。
 (1) 実質的にみて従業員の自由意思に基づく退職か否か
 (2) 退職が会社の責に帰すべき事由によるものか否か
 (3) 会社がいかなる条項に基づいて退職金を支給すると明言していたか
 (4) 組合は会社都合という条項をどのように解釈していたか
 (5) 会社都合退職という条項作成の経緯はどうであったか

 天災のため事業継続が不可能となったための解雇は、会社都合・自己都合のいずれにも該当しないとされています。退職金を支払わなくてもよいというのではなく、退職金規程がある場合には、一般退職として退職金を支払う義務があります。

 表向きは退職であっても、実際には辞めたくないのに会社から退職するように勧められたり(退職勧奨)、強要されることもあります。

 会社側にもそれなりの事情があるにせよ、違法な退職勧奨や退職強要は認めることができません。会社側の態度に圧倒されて一時的に退職の意思を表示したとしても、不当なものであれば退職を取り消したり、無効とすることもできます。違法な退職勧奨により精神的または財産的な被害を受けた場合には、会社に対し慰謝料などの損害賠償を請求できる場合があります。

 なお、退職勧奨そのものは違法ではありませんが、社員も退職勧奨に応ずる義務はありません。

 

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