病歴・就労状況等申立書
「病歴・就労状況等申立書」は、医師が記載する診断書とは異なり、発病・初診から現在までの傷病の治療経過や日常生活能力・労働能力などについて、原則ご自身が記載するものです。傷病についての履歴書のようなものです。
発病・初診の確認や傷病の治療経過により、治ゆ、再発などを判断するための有力な判断資料となります。
一般の方が申請すれば、2級の障害状態にあっても3級と認定されることはよくあります。医師と良く相談し、「診断書」と「病歴・就労状況申立書」を完成させ、障害状態に応じた障害等級の年金を受給することです。
この申立書の目的は、次に掲げる事項を申し出ることにあります。
・発病から初診迄の傷病の経過
・初診日以降の受診状況
特に途中で転院が有った場合はその履歴
・初診日以降の傷病の具体的状況
日常生活能力の判断材料となります。
・初診日以降の就労状況
労働能力の判断材料となります。
初診日からの経過がわかるように年月順に具体的に記載します。
医療機関に受診していない期間についても、中断期間の長さや理由など、その時期の生活状況について具体的に記入します。
審査を行う側に印象深く、自分自身の辛い状況を訴えるため、障害の状態、日常生活の実態をしっかりと記載しましょう。
ここでは、精神障害の例で「病歴・就労状況等申立書」の一部を載せてみました。
傷病名 |
躁うつ病 |
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発病日 |
平成23年5月頃 |
初診日 |
平成25年6月27日 |
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1 |
平成23年5月頃から 平成25年6月26日 受診していない |
職場の人間関係のストレスから、不安やイライラが強まり眠れない日が続いた。 |
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2 |
平成25年6月27日から 平成27年3月10日 受診した 医療機関名 J病院・精神科 |
リストカットをするようになり、平成25年6月27日、J病院・精神科を受診することにした。精神科にかかると、精神安定剤の内服を指示された。受診回数は月2回。 薬を飲むと、やや気分が安定した。しかし、薬の効果がなくなると同じような状態に戻り、終日眠れず、リストカットを繰り返した。 平成26年8月頃から気分の高揚がみられた。夜の街を徘徊する、知らない人に話しかける、散財するといった行動がみられた。 平成26年12月からは うつ傾向 が強まった。朝起きられない、腰が痛む、外に出ようとすると過呼吸になるといった状態が続くようになった。 |
これくらい書ければ合格点といえます。
発病してから初診までの間がある場合は、上記 1 のように、「受診していない」として最初に書くのがコツと考えます。
次のように1行のみで書かれたものを見かけることがあります。また、受診していなかった時期の内容が抜けていることもよくあります。これらの場合は、追記を求められます。
2 |
平成25年6月17日 受診した 医療機関名 J病院 |
J病院の精神科を受診。月2回の通院。 |
また、裏面の 日常生活状況 においてよく見受けられるのは、『食事』『炊事』『トイレ』をいずれも「自発的にできた」としてしまうことです。
食事が「自発的にできた」というのは、三食をバランスよく食べ、そして食器洗いまでできることをいう。本人がご飯をこぼさずに食べていることをもって「食事が自発的にできた」とは言えない。
炊事が「自発的にできた」とは、みずから三食の献立を考え、買い物に行き、調理できることをいう。
これらで、食事をいつも外食に頼るとか、コンビニ弁当ですませるというのでは、食事や炊事が「自発的にできと」とは言い難い。
トイレが「自発的にできた」というのは、普通に用をたすことができるだけでなく、例えば小便で便器周りを汚したら、すぐに清掃まで出来るかにかかっている。汚しても知らん顔では「自発的にできた」とは言い難い。
夜中にトイレに行くのが面倒で、ベランダから小便をするのを常態としていれば、自発的に「できない」とされる。
申立書の書き方一つで障害の等級が変わったり、支給してもらえなかったりすることも多くあり、ご自身で手続きをされる場合、進め方のコツを知らないと、2級の障害状態にあっても3級と認定されることがあります。
しかし、この申立書はなかなか一人では書けるものではありません。当サポートセンターでは、障害年金の受給のポイントを押さえた申立書の作成をお手伝いしております。
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