障害者手帳の等級と障害年金の等級の関係
身体障害者手帳は障害の種類によって1~6級、精神障害者保険福祉手帳は1~3級の等級があります。
療育手帳は都道府県により異なりますが、A(主に重度)、B(主に中度)等の区分があります。
障害者手帳の障害等級の判定時期は初診から6ヵ月後です。補装具などを装着しない状態で障害の程度を認定します。一方、障害年金は、障害者の生活の維持・向上を図るのが目的で、障害程度の認定は、初回は初診から1年6ヵ月後ですが、その後診断書による障害状態の定期的チェックを行なっていきます。補装具などの装着後又は継続療養の効果を加味した上で認定します。
障害を支給事由とする公的年金の障害年金は、年金という所得保障によって障害者の生活の維持・向上を図るのが目的で、保険という位置づけです。
障害年金における障害程度の認定は予測勘案方式といい、診断書の現症を固定的に見るのではなく、1年以後の状態を想定して行われます。
補装具などの装着後又は継続療養の効果を加味した上で、その時々の障害の程度を評価して認定される障害等級です(現況届によって障害状態の定期的チェックを行なっていくことが前提。)。判定時期は初診から1年6ヵ月後。
障害者手帳が発行されたらといって、自動的に障害年金が支給されるというものではありません。
一方、障害年金は障害者手帳を持っていなくても請求できますので、障害者手帳を持っていないことを心配する必要はありません。
身体障害者手帳が2級であるから、そのまま障害年金2級が支給されるというものではないのです。障害者手帳の等級が1級の方でも障害年金を受けられない場合もありますし、手帳の等級が4級でも障害年金の2級に該当することもあります。
障害者手帳の1級は、「障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの」という程度です。障害年金の1級は「不能ならしめる程度」という表現を使っているので、「障害者手帳の1級 = 障害年金の1級」は無理があります。障害年金では2級にずれる可能性があります。
障害者手帳の3級は、「障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの」という程度です。障害年金の2級に近かろうと思います。
障害者手帳の4級は、「障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの」という程度です。障害年金では2級又は3級程度かと思われます。
例)
・人工関節、人工骨頭の挿入
障害者手帳 4級以下入
障害年金 原則3級
・ペースメーカー、ICD(植込み型除細動器)
障害者手帳
ペースメーカー等の依存度や日常生活の制限の程度において1級・3級・4級
障害年金 原則3級
・人工弁移植、弁置換
障害者手帳 1級
障害年金 原則3級
・人工肛門(ストーマ)の造設
障害者手帳 4級
障害年金 3級
精神障害者福祉手帳の1級、2級は障害年金の1級、2級とは基本的には比例します。3級については障害年金の3級より少し幅が広いです。
障害者手帳をお持ちの方は、手帳の等級にとらわれずに障害年金の受給可能性を検討いただきたいと思います。
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