非定形精神病

 現在、精神病は統合失調症躁うつ病に二分されていますが、そのどちらとも決められない病像を示す一群の疾患が認められるようになり、病状が非定型であるとして「非定型精神病」と呼ばれています。

症状
 症状は多彩で、不眠、不安などの神経症様の症状、元気がない、やる気が出ないなどのうつ症状、気分高揚多弁多動の躁症状、幻覚、妄想、まとまりのない落ち着きのなさや興奮といった精神運動性の不穏興奮、話しかけや外部からの働きかけに対して反応しない昏迷状態、錯乱、意識障害、意識障害に幻覚をともなう せん妄状態、夢を見ているような夢幻状態などがみられます。
 病気の初期には不眠不安などの状態に引き続き抑うつ的なあるいは躁的な状態があり、ついで急性の幻覚妄想状態、精神運動興奮、昏迷などが見られます。この時期は統合失調症と区別が付きにくいのですが、幻覚や妄想に少し違いがあります。
 幻覚は、自分の悪口を言っているのではなく、単に人の話し声が聞こえるとか、神様のお告げであるとかの幻聴が多く、また居ない人が見えたり、無い物が見えたりといった幻視なども見られます。
 妄想も一過性であまりはっきりしたものではなく、統合失調症の場合のような体系的系統的なものはあまりみられません。
 回復後に一部の記憶がなかったり、夢のようだったと述べることもあり、意識障害があったり、夢幻状態であったと考えられることがあります。

 ここ数年、20〜30代の女性に増えています。

 

 非定型精神病には次のような病気が挙げられます。

パニック障害
 日常生活の中で、突然激しい動悸や発汗、ふるえ、息苦しさ、めまいなどが起こり、強い不安感に襲われる病気です。極度に緊張する場面や、恐怖を感じた時などに発症します。

社会不安障害
 人前や特定の状況で何かをする時に、緊張感が高まって不安や恐怖を感じ、次第にそのような場面を避けるようになる病気です。顔が火照る、手が震える、大量に汗をかくなどの症状が現れます。

境界性人格障害
 パーソナリティ障害とも呼ばれ、感情をコントロールすることが苦手で、人間関係のトラブルを起こしやすく、自傷行為に及んでしまうこともある病気です。

 非定型精神病は典型的ではない統合失調症を指しますが、それとは違うタイプの精神疾患もあります。
 楽しいことや嬉しいことがあると明るくなり、逆に落ち込むことがあると気分が下がりうつ状態になる「非定型うつ病」が、20〜30代の間で非常に増えています。
 他人によく思われたいという意識が強く、他人の一言が気になるタイプが非定型うつ病になりやすいと言われています。性格は几帳面で凝り性、正義感や責任感が強く、幼少期には褒められることが多く手のかからなかった子どもが、大人になったときに発症してしまうケースも多くあります。

 ここで、ご自分に非定型うつ病の可能性があるかセルフチェックしてみましょう。

 1 嬉しいことがあると気分が明るくなる
 2 だるくて手足が鉛のように重く感じることがある
 3 食欲が止まらず体重が増えた
 4 特に夕方〜夜にかけて調子が悪い
 5 いくら眠っても、寝足りない
 6 他人の顔色や言動が気になる

※うつ状態が2週間以上続いていることが前提。
※1 のような気分変化があり、さらに2~6 のうち2つ以上に心当たりがあれば、非定型うつ病の可能性があります。

 非定型うつ病は、治療やトレーニングによって、およそ70%以上の人が改善しているという報告もあります。非定型うつ病の疑いがある人は、まずは専門機関でカウンセリングを受けましょう。日常生活では、次のことに心がけることが重要です。
 ・仕事や家事など日常生活をいつもどおり続ける
 ・3食規則正く食べ、ダラダラ食べることはやめる
 ・日光浴をする

家族や周囲の人の対処法
 病気の経過や回復は良いのですが、再発することも少なくはありません。再発予防のために少量の薬物の使用が必要と考えられます。そして、仮に再発しても早い時期に対応できるように定期的なかかわり(通院)があった方がよいと思われます。
 発病に際して、精神的あるいは身体的誘因が多いと言われています。結婚、出産、旅行、転居、職場での地位の異動、対人的葛藤、失恋、家庭の不和、夫婦関係、子供の問題、不眠、疲労、月経、高熱などがあげられています。職場や家庭などの環境に問題があればその調整も必要でしょう。

 

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