1週間単位の変形労働時間制

 1週間単位の非定型的変形労働時間制は、日ごとの業務に繁閑が生じることが多く、かつ、その繁閑が定型的に定まっていない場合に、1週間を単位として、一定の範囲内で、就業規則その他これに準ずるものによりあらかじめ特定することなく、1日の労働時間を割増賃金を支払うことなく10時間まで延長することを認めることにより、労働時間のより効率的な配分を可能とし、全体としての労働時間を短縮しようとするものです。

 使用者は次の要件を満たした場合は、1日について10時間まで労働させることができます。

(要件)
(1) 小売業、旅館、料理店、飲食店
(2) 常時使用する労働者が30人未満
(3) 労使協定により、1週間の所定労働時間を40時間以内とすること
(4) 労働者に1週間の各日の労働時間を、少なくとも1週間の開始する前に書面により通知すること
(5) 労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ること

 常時使用する労常時使用する労働者が30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店しか導入できないものです。Fotolia_87879203_XS

 1週間単位の非定型的変形労働時間制を採用しようとする使用者は、1週間の各日の労働時間を1週間の始まる前に書面により各労働者あてに通知しなければなりません。

 また、事前の通知に関して、緊急、かつ、やむを得ない事情がある場合には、あらかじめ通知した労働時間を変更できるとしていますが、変更しようとする場合にも、変更しようとする日の前日までに書面によって各労働者に変更の通知をしなければなりません。

 緊急でやむを得ない場合とは、台風の接近、豪雨等による天候の急変など客観的事実により当初想定した業務の繁閑に大幅な変更が生じた場合等が想定されます。これらの場合に限り、前日まで文書で通知することで変更できます。

 各日の労働時間を定める場合には、労働者の生活スケジュール等への影響を考えて、使用者は、労働者の意見を尊重するように努めなければなりません。

 育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者、その他特別の配慮を必要とする者については、必要な時間を確保できるような配慮をするように努めなければなりません。

 

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