再生不良性貧血
難治性貧血とは、再生不良性貧血、赤芽球癆(せきがきゅうろう)、不応性貧血などの特発性造血障害を指しています。
主な疾患
・再生不良性貧血
・赤芽球癆
・不応性貧血(骨髄異形成症候群)
・発作性夜間ヘモグロビン尿症
・自己免疫性溶血性貧血
・骨髄線維症
・先天性骨髄不全症候群
Fanconi貧血(ファンコニー貧血)
先天性角化不全症
先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan貧血)
先天性赤血球異形成貧血(Congenital dyserythropoietic anemia)
遺伝性鉄芽球性貧血
再生不良性貧血は、骨髄にある血液細胞の種にあたる細胞(造血幹細胞)が何らかの原因によって減るために、赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減る病気です。病気の初期には血小板だけが減少することもあります。同じように血球が減る病気はいくつかありますが、そのなかで骨髄細胞の密度が低く、白血病細胞のような異常細胞を示す疾患を除くことによって診断がくだされます。
年間の発生数が、人口100万人あたり約6人のまれな病気です。年齢別の罹患率では、20代と60〜70代にピークがあります。再生不良性貧血の80%以上は誘因が不明ですが、一部は、抗生剤や鎮痛薬などの薬物投与、ウイルス感染、原因不明の肝炎などに続いて起こります。
再生不良性貧血の治療方針や予後は重症度によって大きく異なるため、診断時の血球減少の程度によって重症度がステージ1から5に分けられています。好中球数が500μl以下、血小板数が2万μl以下、網状赤血球数が2万μl以下のうち、少なくとも2項目以上を満たす状態をステージ4、5、これらは満たさないが輸血が必要な状態をステージ3、それ以外の軽症はステージ1、2に分類されます。
再生不良性貧血では、発病から治療を受けるまでの期間が短ければ短いほど改善する確率が高いことがわかっています。このため、最近では血球減少の程度が軽くても、発病後早期に治療が行われるようになっています。
原因
再生不良性貧血は、何らかの未知のウイルス感染や薬剤・環境因子などにさらされることが引き金になり、造血幹細胞自体の異常や造血幹細胞に対する免疫反応が誘導され、造血幹細胞が増殖できなくなった結果、発症すると考えられています。
造血幹細胞に対する免疫反応が存在することは、再生不良性貧血の多くが抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)やシクロスポリン(CSA)などの免疫抑制薬によって改善することから想像されています。
なお、ファンコニー貧血という先天性の再生不良性貧血では、造血幹細胞の遺伝子の異常が検出されます。
症状の現れ方
主な症状は、顔面の蒼白・息切れ・動悸・めまいなどの貧血による症状と、皮下出血斑・歯肉出血・鼻出血などの出血傾向です。好中球減少の程度が強い例では、感染を併発して発熱が認められることもあります。貧血が高度であっても進行が遅い場合には症状がなく、検診で異常を指摘されて初めて来院される患者さんもいます。
治療の方法
再生不良性貧血に対する治療の二本柱は、免疫抑制療法と、HLA(ヒト白血球抗原)が一致する血縁ドナーからの同種骨髄移植です。20歳未満の若年の患者さんでHLAの一致する血縁ドナーが得られる場合には、一般に同種骨髄移植が適しています。40歳以上の患者さんでは、移植に伴う合併症のために生存率が低下するので、免疫抑制療法が第一選択の治療と考えられます。
発熱など他の病気で受診した際に血液異常が発覚し、検査を経て再生不良性貧血と診断された場合なども、基本的には最初の発熱で受診した日が初診日となります。再生不良貧血の場合は、病名が後から付けられるため、初診日を間違えるケースが少なくありません。
血液・造血器疾患の病態は、各疾患による差異に加え、個人差も大きく現れ、病態も様々です。したがって、検査成績のみをもって障害の程度を認定することなく、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定されます。
再生不良性貧血や溶血性貧血等の難治性貧血群、血小板減少性紫斑病や凝固因子欠乏症等の出血症候群、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等の造血器腫瘍群の認定では、検査結果による3段階の判定区分・検査所見と他覚症状や治療経過による3段階の判定区分・臨床所見を参考にし、その上で日常生活状況の判定区分である一般状態区分と併せ認定することになります。
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