介護休業
労働者は、要介護状態にある対象家族を介護するための休業を申し出ることができます。
労働者は、申し出ることにより、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。
介護休業の取得申し出時点において、次の要件をすべて満たす労働者は介護休業を取得することが出来ます。
・入社1年以上であること
・介護休業開始予定日から93日を経過する日(93日経過日)を越えて雇用関係が継続することが見込まれること
・93日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと
介護休業ができる労働者は、男女を問いません。
日々雇用される者、期間を定めて雇用される者は、育児休業と同様に介護休業をさせる者から除くことができます。
2回目の介護休業ができるのは、要介護状態から回復した対象家族が、再び要介護状態に至った場合です。3回目以降も同様です。
介護休業の取得回数は、対象家族1人について要介護状態ごとに1回、通算して93日までです。
要介護状態とは、負傷、疾病、又は身体上若しくは精神上の傷害により、2週間以上にわたり、常時介護を必要とする状態のことをいいます。
「常時介護を必要とする状態」とは
次のいずれかに該当する場合です。
(1) 日常生活動作事項(表1)のうち、全部介助が1項目以上及び一部介助が2項目以上あり、かつその状態が継続すると認められること
(2) 問題行動(表2)のうち、いずれか1項目以上が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が継続するすると認められること
表1(日常生活動作)
1 自分で可 |
2 一部介助 |
3 全部介助 |
|
イ 歩行 |
杖等を使用し、かつ、時間がかかっても自分で歩ける |
付添いが手や肩を貸せば歩ける |
歩行不可能 |
ロ 排泄 |
・自分で昼夜とも便所でできる ・自分で昼は便所、夜は簡易便器を使ってできる |
・介助があれば簡易便器でできる ・夜間はおむつを使用している |
・常時おむつを使用している |
ハ 食事 |
スプーン等を使用すれば自分で食事ができる |
スプーン等を使用し、一部介助すれば食事ができる |
臥床のままで食べさせなければ食事ができない |
ニ 入浴 |
自分で入浴でき、洗える |
・自分で入浴できるが、洗うときだけ介助を要する ・浴槽の出入りに介助を要する |
・自分でできないので全て介助しなければならない ・特殊浴槽を使っている ・清拭を行っている |
ホ 着脱衣 |
自分で着脱できる |
手を貸せば、着脱できる |
自分でできないので全て介助しなければならない |
表2(問題行動)
重度 |
中度 |
軽度 |
|
イ 攻撃的行為 |
人に暴力をふるう |
乱暴なふるまいを行う |
攻撃的な言動を吐く |
ロ 自傷行為 |
自殺を図る |
自分の体を傷つける |
自分の衣服を裂く、破く |
ハ 火の扱い |
火を常にもてあそぶ |
火の不始末が時々ある |
火の不始末をすることがある |
ニ 徘徊 |
屋外をあてもなく歩きまわる |
家中をあてもなく歩きまわる |
ときどき部屋内でうろうろする |
ホ 不穏興奮 |
いつも興奮している |
しばしば興奮し騒ぎたてる |
ときには興奮し騒ぎたてる |
ヘ 不潔行為 |
糞尿をもてあそぶ |
場所をかまわず放尿、排便をする |
衣服等を汚す |
ト 失禁 |
常に失禁する |
時々失禁する |
誘導すれば自分でトイレに行く |
対象家族の範囲
介護休業の対象家族の範囲は以下のとおりです
(1) 配偶者(事実婚を含む。)
(2) 父母及び子
(3) 配偶者の父母
(4) 労働者が同居し、かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫
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