退職
退職とは、従業員との間の労働契約を解除して終了させることです。
雇用契約の終了の形態には、解雇の他に退職があります。従業員からの意思表示、或いは、従業員と会社の双方の合意により労働契約を解除する場合を退職といいます。
解雇、退職とも、使用者と労働者との間で交わされた労働契約にもとづく雇用関係が終了することを意味します。解雇も退職の中の一つの形態と考えられますが、労働法その他関連分野においては、使用者側からの一方的な労働契約の解約を解雇とし、それ以外の労働契約の終了事由を退職というように区別しております。
退職には、
・定年年齢に達した場合の定年退職
・従業員からの申出による自己都合退職
・有期雇用契約の期間が満了した場合の期間満了による退職
・役員就任のための退職
・従業員の死亡による死亡退職
などがあります。
就業規則等により定められたある一定年齢に達したことをもって雇用契約が終了する場合を定年退職、労働者の都合により雇用契約を中途で解約する場合を、自己都合退職といいます。
私傷病等によりよる休職が長期化し、就業規則等により定められた休職期間を過ぎてもなお、職場復帰が見込めない場合に退職する場合は、雇用契約の自動終了ということになります。
使用者による労働者への退職勧奨に労働者が応じた場合は、双方合意による雇用契約の終了ということになります。
退職は、死亡や契約期間の満了などによる自然退職と、労働者の意思によって契約の解除となる任意退職に分かれます。解雇と違って法的にあまり問題となることがないため、労働基準法にも特に規定はなく、民法に若干の規定が置かれているだけとなっています。
○自然退職の例
(1) 従業員の死亡による退職(当然終了)
(2) 定年退職(約定終了)
就業規則に定めた定年に達したことによる退職
ただし、定年後の継続雇用が通例となっている場合に、継続雇用を行わないことは退職とはみなされず、解雇として扱われます。
(3) 就業規則に定めた期間、私傷病などによって休職し、期間が満了しても復職できないと認められたことによる退職(約定終了)
(4) 予め定められた契約期間の満了による退職(約定終了)
ただし、契約の反復更新が常態化し、期間の定めのない契約と同じ状態にあるときに、使用者側からの更新拒否は解雇として扱われます。
(5) 会社の消滅(当然終了)
(6) 役員就任(約定終了)
○任意退職の例
(1) 転職などを目的とした労働者の自発的意思による退職(自己都合退職)
(2) 使用者側の退職勧奨に応じるなどの、労使合意による退職
① 依願退職
② 退職勧奨
依願退職の勧誘
(3) 論旨解雇(実質的な解雇の申出)
本来は懲戒解雇の対象となる行為であるが、情状酌量の余地がある場合には退職届を提出させるように勧告するものです。退職金の全部または一部を支給します。
その他の退職の例としては、就業規則に定めた一定の期間、行方不明の状態が継続したことによる退職(無断欠勤が退職の申し入れの意思表示であると認められる場合)や、社員から役員に就任したことによる退職などがあります。
労働相談・人事制度は 伊﨑社会保険労務士 にお任せください。 労働相談はこちらへ