膠原病

 膠原病とは下記3つの病気が重なりあった疾病です。
 1.リウマチ性疾患  関節や筋肉に痛みやこわばりを来たす疾病
 2.自己免疫疾患  免疫に異常が見られる疾病
 3.結合組織疾患  細胞間の結合組織に異常を来たす疾病

 膠原病の多くは、割合から見て若い女性がかかりやすいようです。

膠原病の特徴
 ・関節や筋肉に痛みやこわばりをきたす。
 ・細胞の結合組織に炎症による病気が発症する。
 ・免疫の異常が見られる。
 ・はっきりとした遺伝性がない。
 ・伝染病では無い。
 ・悪性腫瘍の病気では無い。
 ・抗生物質が効かない。
 ・副腎皮質ホルモンは効果がある。(ステロイド薬)

 

膠原病に含まれる病気と症状

全身性エリマートデス
 免疫異常が元で発病する炎症疾患です。

症状
 ・原因不明の発熱
 ・関節の痛み
 ・日光のあたりやすい皮膚にできる紅斑(赤い斑点)
 ・蝶形紅斑(顔面の鼻を中心に両頬対称に、蝶が羽を広げた形で現れる紅斑)

 

ネフローゼ症候群
 腎臓が侵され、血液中の必要な蛋白質が尿に出てしまう症状
 この症状が悪化した場合は、最終的には腎不全となり血液透析や腹膜透析の導入か腎移植のいずれかの治療法も必要となります)
 この病気は、圧倒的に女性に多く、患者さんの半数が20から30歳代で発病します。

 

強皮症
 手指から、腕、顔、胸部等へ皮膚の硬化が広がっていく病気です。

症状
 手指のレイノー現象から始まり、この現象と共に「むくみ期(手指が腫れる)」
「硬化期(皮膚が硬くなる)」と進行し、その後皮膚が薄く軟らかくなり、皮膚が傷つきやすく治りにくくなり、潰瘍になりやすくなります。
※内臓(食道、腸、肺、腎臓等)への障害が出ます。(消化不良・便秘・下痢・高血圧等)

 

皮膚筋炎・多発性筋炎
 全身の横紋筋(腕や足などにあり、自分の意志で動かすことの出来る筋肉)と言う筋肉に炎症をもたらす病気です。特に、肩や腰の周囲の筋肉に炎症が起こります。

症状
筋肉の障害
 ・力が入りにくい・頭を持ち上げての起床が出来ない
 ・物を持ち上げるのが辛い
 ・しゃがんだ状態から立ち上がりにくい・階段の上り下りや歩行が難しい

筋肉以外の障害
 眼瞼、手指、肘、膝、等の関節の外側に紅斑が出る。
 ・紅斑が見られる場合 ・・・皮膚筋炎
 ・紅斑が無い場合 ・・・多発性筋炎

 子供と40歳以上の人がかかりやすく、40歳以上で皮膚筋炎の患者さんは、悪性腫瘍を合併することが多いので、検査が必要です。

 

乾燥症候群(シェーグレン症候群)
 主に涙腺や唾液腺等、粘液を出す組織に炎症が起こり涙や唾液が出にくくなり、目や口の中が乾燥する病気です。
 慢性関節リウマチや全身性エリテマートデス等の他の病気と合併しやすい病気です。この病気も女性に多く見られ、40~60歳代がかかりやすい年代です。

 

混合性結合組織病(MCTD)
 全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎のうち2つ以上の病気が混在している病気です。
 個々の症状は、軽い事が多く、レイノー現象が高い頻度で見られます。
 20~30歳代の女性に多く発病します。

 

結節性多発動脈炎(結筋性動脈周囲炎)
 動脈の中でも、中位からこれより細い血管に炎症が生じる病気です。
 炎症によって、血流が悪くなり、腎臓、脳、腸管、皮膚等に障害が起こります。
 膠原病の中では、発病頻度に男女差が無く、20~40歳代に比較的に多く見られます。

 

Wegener肉芽腫症
 ・頑固な鼻炎、肺の結性病変をもって徐々に発病。
 ・腎病変の急激な進行により末期は尿毒症で倒れる。
 ・病因:不明

症状
 ・鼻炎・咳・喀血・口内潰瘍・眼球突出・両側下肺野の結節性陰影・発疹・蛋白尿・血尿
 ・腎不全又は尿毒症・高熱・貧血
※病理所見
 ・気道上下に壊死性肉芽腫
 ・動静脈を侵す巣状炎症
 ・巣状糸球体腎炎

 40~50歳代の男性に多い。

 

大動脈炎症候群(高安病)
 大動脈に炎症が起こり、内腔が狭くなったり拡張したりする病気です。
 めまい。視力障害、失神発作、指の冷感、上肢疲労感等の症状が起こります。手首への動脈が侵されると手の脈が無くなる為、脈なし病とも言われています。

症状
 1.頭部虚血性症状:めまい、頭痛、失神発作、片麻痺等
 2.上肢虚血症状:脈拍欠損、上肢易疲労感、指の痺れ感、冷感、上肢痛
 3.心症状:息切れ、動悸、胸部圧迫感、狭心症、不整脈
 4.呼吸器症状:呼吸困難、血痰
 5.高血圧
 6.眼症状:一過性又は持続性の視力障害
 7.下肢症状:間欠跛行、脱力、下肢易疲労感
 8.疼痛:頸部痛、背部痛、腰痛
 9.全身症状:発熱、全身倦怠感、易疲労感、リンパ節腫張(頸部)
 10.皮膚症状:結節性紅斑

 20~30歳代の女性に多い。

 

慢性関節リウマチ
 小関節より大関節を漸次対照的に犯し、関節の痛みは安静時にもあり、特に朝方に強く天候の影響を受けやすい。患者の多くが、症状が進行すると関節パンヌス(炎症性の肉芽組織)によって骨、関節軟骨が侵食され、関節は著しく変形し、「白鳥の首変形」や小指側にゆがむ。

症状
 1.発疹:
   a.部位:肘、手首、指、足背、脊柱
   b.症状:無痛性・クルミ大、小豆大皮下結節
   c.発疹の出現時間:不定
 2.発熱、関節痛、関節炎、変形強直:
   a.多発性関節炎、b.Caplan症候群、c.手根管症候群
 3.リンパ節肥大
 4.脾腫

 原発性は20~60歳代の女性に多い。
 好発年齢は20~40歳代の女性に多い。 

 

ベーチェット病

 口の中にアフタ性潰瘍(丸く浅い潰瘍)が繰り返し出来る、目のブドウ膜に炎症が起こる。
 外陰部に潰瘍が出来る、しこりを伴う皮疹が出来る等が主な症状である。さらに、他の臓器も侵され、関節炎を起こす事もある。視神経も侵され、光が眩しいといった軽い症状から、失明に至る例もある。

症状
 1.口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
 2.皮膚症状:
   a.結節性紅斑様皮疹
   b.皮下の血栓静脈炎
   c.毛嚢炎様皮疹、瘡様皮疹(参考所見:皮膚の被刺激性亢進)
 3.眼症状:
   a.虹彩毛様体炎
   b.網膜ブドウ膜炎(網脈絡膜炎)
   c.以下の所見があれば a、b に準じる。
   a、bを経過したと思われる虹彩後癒着、水晶体上色素沈着、網脈絡膜萎縮、
   視神経萎縮、併発白内障、続発緑内障、眼球癆
 4.外陰部潰瘍

 

 (エリテマトーデスの治療過程において)ステロイド投与の副作用により大腿骨骨頭部無腐蝕性壊死に至ったとき、相当因果関係「あり」として、ステロイド投与に至った基礎疾患(膠原病関節リウマチ等)を初診日とします。

 

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