障害年金の相当因果関係
相当因果関係とは、前の疾病がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合をいいます。
一般的に、「前の疾病または負傷がなかったならば、後の疾病(通常、負傷は含まれない)が起こらなかったであろう」と認められる場合は、相当因果関係ありとみて、前後の傷病は同一傷病として取り扱われます。
例えば、A病の2次障害としてB病が生じた場合、B病単独で見ることはせず、あくまでもA病の結果として見て「連続しているか・否か」ととらえます。
双方の傷病について、相互因果関係「あり」の場合には、前の傷病の初診日を基準にして、国民年金(または厚生年金保険)の加入要件や納付要件を満たしているかどうかをみます。
相互因果関係「あり」の例
・(エリテマトーデスの治療過程において)ステロイド投与の副作用により大腿骨骨頭部無腐蝕性壊死に至ったとき
ステロイド投与に至った基礎疾患(膠原病、関節リウマチ等)を初診日とします。
・事故・脳血管疾患による精神障害
・心疾患(心房細動など)が原因または誘因で発生した脳血管障害
一般的に、心疾患(心房細動など)が脳血管障害の初診よりも前の可能性が高いとされています。
・結核の化学療法による副作用としての聴覚障害
・肺疾患に罹患し手術を受け、その後呼吸不全に至ったとき
肺手術と呼吸不全の発症までの期間が長いものでも、相互因果関係「あり」
・糖尿病と糖尿病性網膜症
糖尿病がなかったならば、糖尿病性網膜症が起こらなかったであろうと認められます。
・糖尿病と糖尿病性壊疽(糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症)
・糖尿病と糖尿病性腎症
・糸球体腎炎(ネフローゼを含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたもの
慢性腎不全の発症まで両者の期間が長いものであっても、相互因果関係「あり」
・肝炎と肝硬変
・C型肝炎の人がインターフェロンの治療をして、それが原因で脳の機能不全となり精神疾患になった場合、C型肝炎を基礎疾患として初診日とします。
・手術時の輸血により肝炎を併発
・転移性悪性新生物(転移性の悪性のガン)
原発性の癌(元々の癌)の場合は、他の部位の癌との相当因果関係は認められません。
転移性の癌の場合は、他の部位の癌との相当因果関係が認められる可能性があります。
相当因果関係「なし」の例
・近視と黄斑部変性
・近視と網膜剥離
・近視と視神経萎縮
・内部障害と外傷
前発障害と後発障害との間に相当因果関係があれば、一連の疾病として扱われますが、内部障害と外傷との間には相当因果関係を認めません。
・高血圧と脳出血
・高血圧と脳梗塞
・高血圧と洞機能不全
・糖尿病と洞機能不全
・糖尿病と脳出血
・糖尿病と脳梗塞
障害年金のことは『大分別府障害年金サポートセンター』の 伊﨑社会保険労務士 にお任せください。