労働保険料の年度更新

 労働保険(労災保険・雇用保険)に加入している事業主は、毎年、労働保険料の「年度更新」手続きが必要です。

 労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(「保険年度」)を単位として計算することとされており、その額は、すべての労働者(雇用保険については被保険者とならない一部の者を除きます。)に支払われる賃金の総額にその事業の業種ごとに定められた保険料率・一般拠出金率を乗じて算定することとなっています。労働保険の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し、翌年度の当初に確定申告の上精算することになります。したがって、事業主の皆さんには、賃金総額の見込額で算定した概算保険料に対する確定申告(精算)と、新年度の概算保険料の申告を併せて行っていただきます。これを「年度更新」といいます。

 「労働保険 概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金 申告書」が、4月当初に各都道府県労働局から各事業所あて送付されます。この申告書には、あらかじめ労働保険番号、事業の所在地・名称、保険料率が印字されております。

 「年度更新」では、都道府県労働局から送付された「概算・確定保険料申告書」と「納付書」に必要事項を記入してください。

 

一括有期事業

 建設の事業や立木の伐採の事業のうち、「一括有期事業」として成立している事業については、継続事業と同様に年度更新の手続を行うことになります。  ただし、建設の事業や立木の伐採の事業は二元適用事業ですので、申告書は労災保険に係る分と雇用保険に係る分とをそれぞれ別個に作成していただきます。

 建設の事業の労災保険分については、原則として元請負人のみを当該事業の事業主として適用しますので、元請負人においては、自らが使用した労働者に支払う賃金のほかに、下請負人が使用した労働者に支払う賃金をも含めて保険料を算定することになります。

 なお、保険料の算定基礎となる賃金総額を正確に把握することが困難な事業については、労災保険分に限り賃金総額の特例(請負金額に事業の種類ごとに定められた労務費率を乗じた額を賃金総額とします。)による保険料の算定が認められています。

 また、申告書に「一括有期事業報告書」を併せて提出することになっております。

 更に、建設の事業については「一括有期事業総括表」も提出することになっています。

 

労働保険料の申告・納付

 申告・納付に当たっては、お手元に届いた申告書によって異なります。

(1) 労働保険番号の所掌が「1」の申告書(赤色と黒色の申告書)

 この申告書は、労災保険料と雇用保険料を併せて申告・納付いただくものか、労災保険料のみを申告・納付いただくものとなります。

 申告・納付を併せて行うときは、最寄りの金融機関または労働基準監督署へお持ちください。

 申告・納付を別々に行うときは、申告書は都道府県労働局へ、納付は最寄りの金融機関へお願いします。

(2) 労働保険番号の所掌が「3」の申告書(赤色と藤色の申告書)

 この申告書は、雇用保険料を申告・納付いただくものとなります。

 労働基準監督署へ提出することはできません。

 申告・納付を併せて行うときは、最寄りの金融機関または、都道府県労働局・労働保険徴収課へお持ちください。

 申告・納付を別々に行うときは、申告書は都道府県労働局へ、納付は最寄りの金融機関へお願いします。

 

増加概算保険料の申告・納付

 現行、年度の中途において、事業規模の拡大等により賃金総額の見込額が当初の申告より100分の200(2倍)を超えて増加し、かつ、その賃金総額によった場合の概算保険料の額が申告済の概算保険料よりも13万円以上増加する場合は、増加額を増加概算保険料として申告・納付することとなっています。

 都道府県労働局から送付された「概算・確定保険料申告書」と「納付書」に必要事項を記入したのち、保険料を添えて、日本銀行(本店・支店・代理店・又は歳入代理店)、郵便局、または所轄の都道府県労働局、労働基準監督署に申告・納付してください。

 労働保険事務組合に委託されている事業場については、委託先事務組合に確認してください。

 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表は申告書と一緒に提出する必要はありませんが、申告書の控えと併せて保管してください。

 

納付金額がないときの申告書の提出

 労働者が0人、または納付が困難な場合でも、申告書の提出は必要です。

 申告書は金融機関・郵便局へ提出できません。申告書のみを管轄の労働基準監督署または都道府県労働局・適用課に提出してください。郵送も可です。

 毎年6月1日から7月20日までの間に、既に納付した前年度の概算保険料の確定精算と当該年度の概算保険料の申告・納付を同時に行います。申告書の提出用と納付書(3枚つづり)に保険料を添えて、申告・納付します。

 ほとんどの金融機関(郵便局含)が日本銀行の歳入代理店になっておりますので、お近くの金融機関で申告、納付を行うことができます。

 資金繰りの関係等で納付が遅れる場合は、申告書を切り離して、法定期日までに提出します。

 期日までに申告書の提出がない場合は政府が保険料・拠出金を決定し、さらに追徴金(保険料・拠出金の10%)を課すことがあります。

 

労働保険料の延納(分割納付)  

 概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合または労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合は、3回に延納することができます。

 労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合には、納期限が8月31日のものについては原則として9月14日(平成20年度においては9月16日)、納期限が11月30日のものについては原則として12月14日(平成20年度においては12月15日)となります。

 10月1日以降に成立した事業については、延納が認められませんので、成立した日から3月31日までの期間の保険料を一括して納付していただくことになります。

 確定計算をしたところ不足額が発生し、20年度概算保険料と合計すると40万円を超えますが、概算保険料のみですと40万円未満の場合は、延納することはできません。

 概算保険料額のみが40万円以上の場合、延納可能となります。

 有期事業については、事業の全期間が6ヵ月を超え、概算保険料の額が75万円以上のものは概ね上記に準じた方法で「分割納付」が認められます。

 2期、3期分の納期は毎年8月31日、11月30日ですが、休日の場合は翌日が納期となります。

 2期、3期分については、納付期限の約2週間前に金額を印字した納付書を送付します。

 

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