その他の疾患と障害等級

 その他の疾患は、「眼の障害」から「悪性新生物」等において取り扱われていない疾患を指すものです。

障害の程度

1級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

2級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

3級

身体の機能に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

障害手当金

   一般状態区分表

区分

一 般 状 態

無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの

軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの   (たとえば軽い家事、事務など)

歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの

身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

  

 診断書は基本的に「血液・造血器 その他の障害」用のものを使用しますが、肢体の障害なども出ていれば「肢体の障害」用の診断書も一緒に提出するなど、障害の状態がより明確に伝わるようにする場合もあります。

 慢性疲労症候群や化学物質過敏症の場合、裁定請求の際、別途専用の照会様式を診断書作成医師に記入してもらい合わせて提出します。

 

臓器移植

 心臓移植は心臓移植以外の従来の治療法では救命ないし、延命することを期待できない重症の心機能障害をもつ心臓の病気に対して行なわれています。具体的には、広範な心筋梗塞、重症の心筋症(主に拡張型心筋症)高度の心筋障害を伴う心臓弁膜症などです。

 臓器移植を受けたものに係る障害の認定は、「その他障害」の認定要領により認定されます。

 臓器移植を受けた人のその後の障害認定は、術後の症状、治療経過及び検査成績等を十分に考慮して総合的に認定します。

 障害等級に該当している人(人工透析施行の方の場合 2級)が臓器移植を受けた場合、臓器が生着し安定的に機能するまでの間を考慮して、術後1年間は従前の等級(2級)での障害年金が受給できます。 

 障害厚生年金で障害等級が3級の場合は、臓器が生着し安定的に機能するまでの間、2年間の経過観察を行うこととされています。再認定時に2年の予後観察期間を経過している場合は、3級非該当とする程度の状態であるか否かを判断します。(障害年金が支給停止になる場合があります。)

 障害基礎年金について、3級該当で支給停止されている者については、引き続き停止となります。

 免疫抑制剤を使用していることだけで3級相当とはなりません。著しい労働制限を受けるような状態になければ、3級も不該当となります。

 

腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症

 腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症とは、胃切除のよるダンピング症候群、短絡的腸吻合術による盲管症候群、虫垂切除等による癒着性腸閉塞又は癒着性腹膜炎、腸ろう等をいいます。

 腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症の障害の程度は、全身状態、栄養状態、年齢、術後の経過、予後、原疾患の性質、進行状況、具体的な日常生活状況等を考慮し、総合的に認定されます。

 

遷延性植物状態

  遷延性植物状態とは、外傷や脳内での出血などによる脳の損傷により、重度の昏睡状態に陥ってしまった状態のことで、いわゆる植物状態とよばれるものです。 

 日本脳神経外科学会による定義(1976年)によると、 
 1. 自力移動が不可能である。 
 2. 自力摂食が不可能である。 
 3. 糞・尿失禁がある。 
 4. 声を出しても意味のある発語が全く不可能である。
 5. 簡単な命令には辛うじて応じることも出来るが、ほとんど意思疎通は不可能である。 
 6. 眼球は動いていても認識することは出来ない。
以上6項目が、治療にもかかわらず3ヵ月以上続いた場合を「遷延性意識障害」といいます。

 日常生活の用を弁ずることができない状態であると認められるため、1級と認定されます。

 障害の程度を認定する時期は、その障害の状態に至った日から起算して3月を経過した日以後に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とします。

 

脳死との比較
 「植物状態」は、一般的には脳の広範囲が活動出来ない状態にあるが、辛うじて生命維持に必要な脳幹部分は生きている状態を指す。
 一方、脳死は生命維持に必要な脳幹機能が不可逆的に停止している状態を指す。
 植物状態では自発呼吸があり、脳波も見られる。植物状態の場合はまれに回復することがあるが、脳死の場合は回復しない。

 

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