職種別賃金

 一般的に、給与は年功的に決定される年齢給や各職務に従事する従業員の能力によって決まる職能給、または担う役割の大きさによる役割給や業績により決定される成果給など、いくつかの要素で構成されています。それらの構成要素の給与全体に占める割合を職種別に変更し、より職種に合うように設けられた給与体系を職種別賃金といいます。例えば、営業職であれば事務系の職種よりも成果給の割合を多く設定したり、熟練度合いが年功に比例する製造系の職種では、年齢給を多めに設定するなど、従業員の仕事の性質に合致した給与体系にすることで公平性を図ることができるのです。一方、支給される給与額に職種間で大きな格差が生じ、不公平感が高まらないように設計する必要があります。また、給与設計が複雑になりすぎて、メッセージが従業員に伝わらなくならないように、そして、運用が大変にならないように留意する必要があります。

 職種別賃金には様々なタイプがあります。
 ・年俸制月給制のように支給形態まで分けるもの
 ・職務給のように給与の決定基準を変えるもの
 ・決定基準は変えずに給与水準のみを変えるもの
 ・月々の給与制度は共通で、賞与のみ職種別に決定する方式

 職種別賃金制度のメリットとしては、年功序列に基づく全社員一律であった賃金制度を職種と職務レベルに応じて見直すことで、人件費の圧縮を図るだけでなく、仕事内容に応じて給与にメリハリを付けるなど、職場の活性化につなげられるということが挙げられます。

 

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