人事考課とは

 人事考課とは、「労働組織上の配置、昇給・賞与額の決定などのために、労働者の日常の勤務や実績を通じて、その能力や仕事ぶりについて成績評価し、それを賃金、昇進、能力開発等の諸決定に役立てる手続」をいいます。

 

評価項目

 一般的な考え方を示すと次のようになります。

1.期待成果

 期待成果とは、会社として「期待通りの成果を出して欲しい」という期待です。

 営業であれば売上高、粗利額などですが、総務などスタッフ部門では業務を行うことだけではなく、その結果どのような成果を出すのかを明確にすることが必要です。会社にどのような貢献をしたかが成果ということになります。

 各部門は会社の収益向上のために存続しており、そのために何を行いどのような成果を生み出すかという観点で部門の役割を明確にします。

 一般的には次の分野での役割があります。

項 目

内 容 ・ 例

1.収益性

粗利益、利益率、経費、コスト削減、回転率、ロス率など  

2.市場での地位

売上高、マーケットシェア、製品サービスの品質、ブランド力など

3.生産性  

業務効率、業務プロセス改善、一人当たりの生産性、時間外労働など  

4.イノベーション  

新商品売上、新規顧客開拓、新システム導入など  

5.顧客サービス  

顧客満足度、リピート購買率、顧客維持率、顧客シェアなど

6.人材育成

新スキル獲得、業務時間、成約率など  

(顧客サービスは社外の顧客だけでなく、社内の顧客も対象になります。)

期待成果明確化のために

 「何のために、その部門、その部署があるのか」という観点で考えていけば、部門の使命は判明します。

 期待成果は「何をするか」ではなく、「どういった成果が求められているか」を取り上げるということです。

 営業や製造などライン部門は成果が直接的で明確であるためウエイトを大きくし、総務や経理などスタッフ部門は成果が測定しにくかったり、他部署の影響を受けたりするので、ウエイトを小さくした方が納得性が高くなります。 また、管理職はウエイトを大きくし、一般職はウエイトを小さく設定します。

 

2.期待行動

 「高い成果を上げるために、やるべきことをしっかりやって欲しい」という期待行動は、業績向上のためには不可欠なものであり、これを向上させることが安定的な業績の向上につながります。

 また、この期待行動が指導のポイントとなります。期待行動は、期待成果を達成するために具体的にどのような業務をどの水準で行うかということになります。

 また、「どのように行うか」ということですから、評価基準は文章で表現することになります。すなわち「しっかり行う、模範的に行う」とはどうすることなのかを文章で表現し、そのように指導するとともに評価をしていきます。それぞれの業務について、「模範的に実施している」とはどのように実施することなのかを具体的にしていけばよいわけです。

 

3.知識・技術

 必要な時に必要な行動をとってほしいという期待があります。

 仕事に生かされてはじめて意味のあるものであり、あまり大きくすると仕事をするより勉強した方がよいということになりますので、ウエイトは低めでよいと思います。

 

4.勤務態度

  専門知識、技術だけでなく、組織人として当然守ってほしい規律や協調性などを身に付けて欲しいという期待があります。

 直接的には会社の業績には関係ない部分ですが、長期的には必要な項目です。共同作業などの場合では特にこの部分が必要になってきます。これらの期待項目を書き表したものが「評価シート」になります。

 

人事評価項目のウェイト 

 実際には、一つの評価項目について、それぞれ3~5項目の考課要素がありますから、要素ごとにウエイトを決めていく必要があります。最初はシンプルにした方がよいでしょう。

等級別評価ウェイト配分の例
  評価手法を、どのようなウェイトで適用するかを等級別に決めます。
 ・全社員を対象に望ましい行動規範を浸透させるため、行動評価を実施
 ・上位等級は、部門の課題に適した「目標による管理」と業績評価を実施。
 ・下位等級は、専門知識、・技能の育成を重視し、重点業務のスキル評価を実施。

 

「業績・行動評価」型
 全従業員を対象に業績評価と行動評価をする方法です。
 上位等級は業績評価に、下位等級は行動評価にそれぞれウェイトを置いて成績を決定します。

「業績・行動・スキル評価」型
 行動評価は全員に適用しますが、業績評価は管理職クラスだけに適用し、下位等級にはスキル評価を適用する方法です。

 

評価表 項目・着眼点 の例は こちら 

人事考課表 一般用 の例は こちら

人事考課表 管理者用 の例は こちら

 

評価の段階 に続く

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