年金問題は消費増税では解決できません
年金問題は消費増税では解決できない
ある試算によれば、2010年は高齢者1人に対し、生産人口2.77人、2031年には1.83人の生産人口で1人の高齢者の年金を負担することとなるそうです。そのために消費税を上げようとしているわけです。
年金支給額の水準を維持するには、大増税か、若い世代の保険料の負担増、年金をもらえる年齢の大幅な引き上げしかないのでしょうか。
2014年には、年金や医療、介護などにかかる社会保障費の合計は112兆円、うち43兆円が税金で賄われた。
消費税1%当たりの税収は約2兆円。7%の増税とは14兆円もの税金を新たに国民から奪うという意味にほかならない。経済成長せず、今の制度が維持されたと仮定すれば、2060年には消費税率は36.2%になる。仮に社会保障にかかる費用をすべて消費税でまかなおうとすれば、今世紀の半ばには、消費税率は60%を超えます。
「日本は少子高齢化が世界最速で進み、このままでは国家が破産します。ですから、消費税を増税して社会保障に充てるのです。」このような説明を聞いて、「それなら仕方がない」と思い増税を容認する人も多いでしょう。
しかし、消費税増税は景気を冷え込ませます。
働き手が減る分、その負担は倍増するのです。若者は重税を余儀なくされる上に、育児、出産、高齢者の社会保障負担と計り知れません。
果たして、このような重い負担を背負う若者は幸福だといえるのでしょうか?
消費税の増税を社会保障のために行うということは、次々と「重税」を課されることを国民が認めるということ。政府ははっきりとその試算を国民に示し、重税を取るのか、それとも自助努力型の社会を取るかの選択をきちんと問うべきです。それなくしての消費税増税論は、単なる目先のすり替えに過ぎない。
年金は事実上破綻しており、このままでは、税金をつぎ込んでも焼け石に水です。消費税増税をすれば、年金世代はもちろん、現役世代の家計を圧迫し、ますます維持が難しくなります。
消費税について さらに
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本来の『第3の矢』 は こちら
消費税は全廃すべき
年金や医療など社会保障のために消費税を増税するという選択は、本当にやってよいことでしょうか。
消費税を上げる大きな理由の一つに、「年金制度の維持」が挙げられています。実際、2014年度に消費税が8%に引き上げられたことで、増える税収約5兆円のうち、2.95兆円は年金の財源に計上されています。景気に水を差す消費税増税は、年金制度を更に不安定にする。そう考えると、消費増税の議論も違った切り口から見えてきます。
社会保障の財源を名目として、消費税を増税しようとしていますが、経済が元気でなくなれば、税収も減り、年金積立金も早く枯渇することになることは明らかです。
そこで、必要となるのが「消費税」の全廃です。
消費税をゼロにすれば、少なくとも7%分は余計にお金を使えるようになる。いわば給料が5%も上がるようなもの。消費税と相続税を全廃すると、約12兆円の税収が失われる。これは単年度の減収としては全体の約23%に当たる。決して小さくない数字です。しかし、減税そのものの消費刺激効果を含めて、多様な景気対策を行うことで経済成長を促せば、減収分は4、5年もあれば取り戻せる。経済が成長すれば税収も伸びるからです。
減税など消費を刺激する政策を実行すれば、実際にお金が回り始める。
加えて、規制緩和やベンチャー減税などで企業家を続々と誕生させ、人口増加策によって納税者の数を増やせば、さらなる税収も見込める。つまり、「消費拡大による企業の売上アップ」「企業の数そのもののアップ」「納税者人口のアップ」という 税源自体を創造することで、税率を下げても税収が上がる仕組みを作るのです。
景気回復による財政再建 は こちら
年金をはじめ、社会保障費の不足を消費増税によって賄う「税と社会保障の一体改革」については、発想自体が間違っていて、根本から見直すしかありません。
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