被用者年金制度の一元化(6)
これまで『被用者年金一元化』としてシリーズで5回お届けしました。
主な内容の中心は、
・共済年金が厚生年金に統一されること。
・厚生年金の期間と共済年金の期間がある場合は、通算した月数で年金の受給要件等を判断する。
ということでしたが、何度か一元化の勉強会の講師をさせていただいたなかで、お届け出来なかった点や新たに「なるほど」と発見できた点がありました。一般的に一元化の本にもまだ載っていないようなこともあるかもしれないので、何回かに分けてお届けしたいと思うのです。
平成27年9月までに既に共済年金を受けておられる方は、平成27年10月1日以後も引き続き今の退職共済年金の受給となります。
ただ、年配のかたで不利になるケースがあります。
国家公務員は昭和34年1月に恩給制度から現在の国家公務員共済組合となりました。地方公務員は昭和37年12月に恩給制度から現在の地方公務員共済組合となりました。
このなかで、恩給期間にかかる給付の27%減額(配慮措置あり)があるというのです。
厚生年金は平成27年10月の一元化後、次の4つの種別が新たにできることになります。 ① 第1号被保険者 従来の厚生年金被保険者(約3,470万人) ② 第2号被保険者 従来の国家公務員(約105万人) ③ 第3号被保険者 従来の地方公務員(約280万人) ④ 第4号被保険者 従来の私立学校教職員(約50万人)
平成27年10月1日以後、これから年金を受けられる方は、退職共済年金と言わずに、「老齢厚生年金」としての受給に変わるとのことです。
「共済年金の職域加算(3階部分)の廃止と経過措置」について
平成27年10月1日において既に退職共済年金を受けておられる方
これまで通り、職域加算(3階部分)は受けられます。
平成27年10月1日以後、これから年金を受けられる方
共済年金の職域加算部分は廃止されます。 共済年金の職域加算部分廃止後の新たな年金として「年金払い退職給付」が創設されます。
(1) 平成27年9月まで共済組合に加入していた期間分については、平成27年9月までの加入期間に応じた「職域部分」を受給できます。
(2) 平成27年10月以後も共済組合期間がある方は、平成27年9月までの期間に対しては「職域部分」、平成27年10月以後の期間に対しては「年金払い退職給付」が支給されることになります。
(3) 平成27年10月以降にはじめて共済組合に加入となる人は、「年金払い退職給付」のみの支給となります。
○年金払い退職給付
半分は有期年金 半分は終身年金(65歳支給(60歳から繰上げ可能))
有期年金は、10年又は20年支給を選択(一時金の選択も可能)。
本人死亡の場合は、終身年金部分は終了。有期年金の残余部分は遺族に一時金として支給。
職域部分と「年金払い退職給付」の違い
職域部分 |
年金払い退職給付 |
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財政方式
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賦課方式
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積立方式 将来の年金給付に必要な原資を予め保険料で積み立てる。 |
給付設計
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従来の確定給付型
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キャッシュバランス型 (国債利回り等に連動する形で給付水準を決める。) |
保険料率 |
保険料率の上限なし |
保険料率の上限(1.5%)を法定 |
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