原爆投下の責任

 日米が開戦する約20年前の1922年、無神論を奉じる共産主義国家のソ連が誕生した。指導者に就任したスターリンは、市民の大粛清を行った。そのようなソ連が日本に攻めて来たら大変なことになる。ですから、日本は中国大陸に進出して、ソ連の脅威を食い止めようとしたのです。

 一方、アメリカは、それまでソ連を国として認めていなかったのに、1933年、ルーズベルトは大統領就任後すぐにソ連と国交を樹立した。側近にソ連のスパイが多かったと言われている。

 日本と対立していたソ連と、本心では戦争を始めたいルーズベルトの思惑が重なって、ルーズベルトは、経済制裁などをして日本が戦わざるを得ない状況に追い込んだ。

  ルーズベルトとスターリン、チャーチル英首相は、1945年2月にヤルタ協定を結んだ。そのとき、「(戦後は)戦勝国で国際秩序を維持する」と合意した。この戦勝国というのが、米英仏ソ中の5ヵ国。この枠組みによって、米ソ2大大国による世界支配が方向づけられ、冷戦構造ができた。

 しかも、戦後、後任のトルーマン大統領が中国国民党への支援を打ち切ったことで、中国共産党が中国大陸での内戦に勝利した。1949年に中華人民共和国が建国され、アジアに共産主義が広がった。

 広島、長崎への原爆投下を決定したのはトルーマンである。トルーマンは、1945年4月に亡くなったルーズベルトの計画を引き継いで、そのまま実行した。日本の都市部への空爆を指示し、原爆の開発計画であるマンハッタン計画を推進したのはルーズベルトである。

 

原爆投下の誤りを認めないアメリカ

 1945年、アメリカが原爆を投下したことによって、広島では約14万人、長崎では約7万人が亡くなった。北朝鮮や中国が軍拡を続ける中、広島から原爆投下の恐ろしさを世界に発信することは重要です。

 当時、日本は降伏寸前であったため、「戦争を終わらせるため」という理由で原爆を投じる必要はなかった。近年、アメリカの歴史学者の中にも、原爆投下を疑問視する意見が出始めている。

 しかし、アメリカの大統領は、いまだかつて日本への原爆投下に対して謝罪をしていない。アメリカでは、退役軍人を中心に原爆投下を正当化する世論が根強いためである。

 

原爆投下は必要だったのか

 アメリカでは、いまだに「原爆投下は正しかった」という意見が6~7割を占めています。しかし、唯一の核兵器使用国であるアメリカが、戦後何年たっても原爆投下を正当化し続けたことによって、中国や北朝鮮などの独裁国家が核開発を押し進める口実を与えたともいえる。

 当時の状況をよく知るアメリカ人の中に、「原爆投下は必要なかった」と断言する人がいる。

 日本への原子爆弾投下を批判した リーヒ海軍大将は、非戦闘員を犠牲にすることをよしとしない軍人の立場から、回顧録で次のように述べている。

 「広島、長崎に対する残忍な兵器使用は対日戦で何ら重要な助けにもならなかった。日本はすでに打ちのめされており、降伏寸前だった。女、子供を殺すようでは戦争に勝利したとは言えない」

 また、のちに大統領となったアイゼンハワー陸軍大将も、「原爆投下は全く不必要との認識だった」と述べている。

 にもかかわらず、当時のトルーマン政権は なぜ 原爆を投下したのか。そこには、アメリカが原爆の威力を示すことで、ソ連をけん制するという外交目的があったといわれている。また、ドイツなどの西洋諸国ではなく、日本に原爆が落とされたことには、白人優位主義の人種差別的な思想もあったとみられる。

 

アメリカによる「人体実験のための原爆投下」

 トルーマン大統領は、20万人の人員と20億ドルが投入された原爆開発計画(マンハッタン計画)を、ルーズベルト前大統領から引き継ぎ、原爆投下を決定しました。

 毎年8月、広島と長崎では追悼式典が開かれていて、アメリカの原爆投下は戦争犯罪だったという非難で満ちている。だが、「戦争を早く終わらせるために、原爆投下は正しい判断だった」という主張が展開されています。しかし、これはアメリカの「言い訳」に過ぎません。1945年7月の時点で、日本は事実上敗戦に追い込まれていました。米軍は、日本の各都市を無差別に爆撃し、同年3月の東京大空襲だけで 8万人以上を虐殺しました。

 そのため、アメリカのアイゼンハワー連合軍総司令官は、トルーマン大統領に「原爆の使用は不要だ」と進言し、原爆投下に反対。しかし、大統領はそれを聞き入れず、広島にはウラン型の「リトルボーイ」、長崎にはプルトニウム型の「ファットマン」をそれぞれ投下し、約20万人近くの民間人を虐殺したのです。

 マンハッタン計画における原爆投下の報告は、まるで科学実験の測定データを記したようなものだったそうです。人体実験で原爆の性能を確かめようとしていたことは明らかです。また、原爆投下後、米軍の医療団は被爆地に入りましたが、焼けただれた人々を治療せずに「観察」していたとか。

戦争を終わらせるために、原爆投下は仕方なかった?

 それはアメリカの言い訳にすぎない。日本の都市はすでに焼夷弾で焼き尽くされていたし、日本側も和平交渉を申し込んでいたから、原爆投下は必要なかった。

 新型爆弾を実験してみたかったから、ソ連をけん制するためなど、色々な説がある。アメリカは、戦後ソ連が世界の覇権を握ることを懸念していた。実際、その後ソ連も原爆をつくって冷戦が始まった。

 日本に原爆が落とされた背景には、当時のアメリカ人が日本人に強い差別意識を持っていたことがある。初めはドイツに対抗するために原爆の開発を始めたが、その標的は白色人種のドイツでなく、黄色人種の日本にしたかった。実際そのように決定されたと言われている。

 他にも、ルーズベルトは、アメリカ国籍を持つ日系人を強制収容所に入れて、在米日本資産の凍結も行った。トルーマンも、広島への原爆投下の報告を受けた時、「史上最大の出来事だ」と喝采したという。

 冷戦時に「ソ連封じ込め」を提言した米外交官ジョージ・ケナンは、後に「アメリカ人は、中国を過大評価し、日本を過小評価する傾向がある」と、アメリカ人の傾向性を反省している。

 

アメリカは原爆投下の反省を

 原爆投下や日本各地への空襲の背景にあったのは、黄色人種はいくらでも殺してよいという「黄色人種への差別意識」でした。

 発想としては、ユダヤ人の虐殺とほとんど変わりがなかったのです。欧米列強が「白人至上主義」の下、植民地支配を約500年間続けたことも、同様の発想に基づいていました。

 原爆について、幸福の科学大川隆法総裁は、広島での街頭演説で以下のように語っています。

「ここで言っておかねばならないのは、『原爆は、落とされたほうが悪いのか、落としたほうが悪いのか』ということです。神仏の目から見て、私は言います。原爆は、落としたほうが悪い。落としたほうが絶対に悪い。国力が大きいか小さいかによって善悪が変わるものではありません。人道に対する罪です。人類に対する罪です。使ってはいけない道具なんです(『未来へのビジョン』所収)

 アメリカは、「原爆投下は人道に対する罪だった」とはっきり認める必要があるでしょう。

 最近では、ネット年代を中心に、「原爆投下は間違いだったのではないか」と考えるアメリカ人が徐々に増えています。アメリカが「神の正義」の考えに基づいて政府の公式謝罪を表明するよう期待したいところです。

米軍が核攻撃に援用した聖書の「神の正体」

核戦争が宇宙人介入のきっかけになる

 1947年、米ニューメキシコ州ロズウェルで UFOが墜落するという事件が起きました。原爆が投下されて以降、UFOが頻繁に現れるようになったと言われています。

 地球上には核兵器が約1万5000発存在し、米中露を中心に核兵器の数百倍の威力を持つ兵器の開発も行われています。近い将来、ユダヤ・キリスト教圏とイスラム教圏との間で、核戦争が起きる可能性も論じられています。大川隆法総裁は、本当に核戦争が起きれば、地球を守るために宇宙人の介入が始まるかもしれないと予言しています。

 幸福の科学の霊査によると、地球上の過去の文明は、核戦争によって滅んだこともあります。核戦争を防ぐ最大の武器は宗教です。「同じ地球人として、互いに愛し合おう」という思いが、核戦争を抑止することになります。次なる原爆投下や核戦争を防ぐためにも、愛と寛容の教えに満ちた宗教思想を広めることが急務と言えます。

 

日本に核があったら原爆投下はなかった

 ここで、「原爆投下」に関して日本人が知っておくべき事実があります。

 トルーマン大統領が1945年8月に広島と長崎に原爆を投下することを決めた会議が、ホワイトハウスで開かれた。そこに出席していたジョン・マクロイ元陸軍長官は、後にこのような主旨のことを語っている。

 「もし、日本があの時に原爆を一発でも持っていたとしたら、日本に対して(原爆を)使用することは、ありえなかった」

 この話を素直に聞けば、日本が確認すべき教訓は、「十分な守りを固めていなかったこと」「核装備をしなければいけない」ということになる。

 

「原爆は侵略したから」も間違い

 「そもそも日本が侵略戦争しなければ、原爆を落とされることもなかった」という反省も語られている。

 しかし、GHQの最高司令官だったダグラス・マッカーサーは、1951年の米上院の軍事外交委員会で「日本が戦争に突入したのは、主に自衛の必要に駆られてのことだった」と証言したことは有名です。

 アメリカのフーバー大統領も、著書の中で、「日本との戦争の全てが、戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の欲望であった」と語っている。「太平洋戦争」はルーズベルトが望んだものであり、日本を追い込んだことで起こしたということである。

 原爆投下の責任を追及する声は、日本でもほとんど出ることはない。その原点は米軍占領下の検閲にある。

 占領軍による最初の検閲は、ある新聞社が原爆による惨劇に対する日本人の抗議について報じたものが対象であった。

 そして、GHQ制作のラジオ番組で「南京大虐殺」を創り出すことになるのだが、占領軍の検閲担当官は、「ヒロシマ・ナガサキは、マニラや南京で行った日本人による残虐行為と、それ以上でないにせよ、同じぐらい悪く、彼らの罪と相殺されるものである」と述べたという。

 マニラはもちろん、南京でも日本軍による市民虐殺はなかったことが明らかになっているわけだが、終戦直後も今も、アメリカにとって原爆投下の罪を相殺できる日本軍の蛮行がないと困るということでしよう。

 ただ、東京裁判では、A級戦犯とされた東條英機元首相らの弁護を担当したアメリカ人弁護士たちが、原爆投下の責任を追及した。ベン・ブルース・ブレイクニー弁護人は、以下のように発言した。

 「原爆を投下した者がいる。これを計画し、実行を命じ、黙認した者がいる。その者たちが(日本の指導者を)裁いているのだ。彼らも殺人者ではないか」

 この発言の間、同時通訳が停止し、日本語の速記録にも記録されなかったという。

 彼らは、法廷でアメリカがいかに日本を対米戦争へと追い込んだかを論証し、「(ハワイの真珠湾に対する)日本の攻撃は自衛手段」と訴えた。

 アメリカ人弁護士たちは、裁判が英語で行われるため、助っ人として日本にやって来た人たちだが、日本が侵略戦争を起こしたわけではないことをたちまち理解し、「日本無罪」の弁護をしたのでした。

 

原爆投下こそホロコースト

 原爆投下に関して反省すべきは、日本ではなくアメリカです。

 現代日本の研究の第一人者であるカーディフ大学教授のデービッド・ウィリアムズ氏は、「アメリカの東京大空襲、2度にわたる原爆投下こそ『ホロコースト(大量虐殺)』です」と語っている。

 アメリカ陸軍出身のジャーナリスト、ジョン・コスター氏も、「(原爆投下は)日本を降伏させるとともに、ソ連のスターリンにその威力を見せつけて牽制したかったのです。ただ、その背後には、有色人種への強い差別意識があった」と語っている。

 元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のヘンリー・S・ストークス氏も、「大空襲や原爆投下という破壊行為に比べたら、日本軍がなしたと言われる戦争犯罪は、大した問題ではないとさえ言えます」と語っている。

 東京裁判で被告全員の無罪を主張する意見書を書いたインドのパール判事は、「原爆投下こそホロコーストである」と述べていた。

 日本の主権が回復した後の1952年11月、再び来日し、広島市内での講演で語った。

 「彼らはそのこと(日本の和平工作)を十分知っていたにもかかわらず、悲惨な破壊力を持つ原爆をあえて投下した。これは一種の実験だった」

 「原爆投下は、男女の別なく、戦闘員・非戦闘員の区別なく、無差別に人を殺すということだ。最も残虐な形の大量殺人だ」

 「数千人の(アメリカの)軍人の生命を救う代償として、罪のない老人や子供、婦人たちを、一般の平和な生活を営む市民を、数万人、数十万人も殺していいと言うのでしようか。このような説明で満足している人々によって、人道主義とか平和とかいう言葉がもてあそばれていることを、私たちは深く悲しむ」

 ところで、「日本が原爆を落とされたのは、侵略戦争を起こしたから」という考えも、「核をなくせば、核を防げる」という考えも成り立たない。むしろ、日本は唯一の被爆国だからこそ、あの悲劇を二度と繰り返さないために、核装備をする権利があると言えるのです。

 

原爆投下を悔やむトルーマン大統領の霊言

 2013年に行われた霊言の中で、大川隆法総裁は先の大戦に関係したハリー・トルーマン大統領や、フランクリン・ルーズベルト大統領、東條英機首相などの霊を呼んで、その本音を語らせた。

 日本に2つの原爆投下を決めたトルーマンの霊言で、「あれ(原爆)は、やはり投下すべきではなかった。すまなかった」と謝罪。「アメリカは原爆を使ってみせることで、ソ連を牽制した」「長崎型と広島型は、ちょっとタイプが違うので、それぞれ、どのくらい攻撃力があるかを調べた」と明かした。

 トルーマンの直後に収録された、日本との開戦時に大統領だったルーズベルトの霊言では、「捕まえた捕虜により、(日本の)暗号を解読する方法は分かっていた」と告白。真珠湾攻撃の以前から日本が攻撃することを知っていたこと、それにもかかわらず、あえて日本に先制攻撃をさせ、多くの米国人を犠牲にし、自国民の参戦機運を高めたことなどを暗に認めた。

歴史認識 へ

「仏法真理」へ戻る