「情報」から「知識」、そして「智慧」へ

思考の材料を集めよく考える

 アイデア豊富で次々と事業が生まれるのは、経営者の積極的な態度が大きく影響することが分かる。物事に対して、ポジティブな捉え方をするからこそ、社員にやる気が伝わり、事業が大きくなる。

 幸福の科学大川隆法総裁の書籍『智慧の法』には、アイデアやひらめきを得て活かすための努力として、以下のポイントが挙げられている。

「前提として、みなさんは、まず、『よく考える人』でなければいけません。そのためには、『思考の種・材料』となるものも要ります」

 この思考の種・材料となる情報を得るためには、常に、興味・関心の範囲を広げるように努力し、新しいものに対しても関心を持つ努力が必要です。その中で、思いもよらないインスピレーションも臨むという。

 自社の発展が、社会のため、国のため、世界のためになるという大義名分を確信するからこそ、事業への協力が集まり、拡大していくのです。

 『智慧の法』の中には、情報と知識、智慧の違いが簡潔に述べられている。

 「情報」が仕事で有用になったものを「知識」と呼び、「知識」が経験に裏打ちされて、人生観を高めるレベルにまでなったものが「智慧」である。

 営業・販売・マーケティングのプロフェッショナルには、「お客様の役に立つことを第一に考える」「商品情報を活かす」「差別化」「観察力」など、数多くの共通点があることが分かった。

 こうしたプロの仕事術には、情報を知識に、知識を智慧に変えるプロセスが存在している。毎日、同じような情報に接し、同じように仕事しているはずなのに、なぜか成果に違いが出る理由もここにある。

 

「情報」から「知識」、そして「智慧」へ

 商品に関する情報を記憶するのは仕事の第一歩である。しかし、これをお客様の趣味や嗜好に合わせて伝えることができなければ、実際の仕事には役立たない。

 アウトプットを念頭に置き、自分で「情報」を整理し、ストーリーを組み立てて初めて、「知識」になる。その際、「お客様の役に立つ」「長所を発見する」「クレームに耳を傾ける」という姿勢が生きてくる。

 さらに、プロの仕事術に共通して見られたのは「繰り返し自分の仕事を検証する」ことである。

 一日の仕事を一つひとつ丁寧に振り返り、「知識」が本当にお客様の喜びにつながっているかを見直していく。この努力は、「相手の立場に立つ」「潜在ニーズを発見する」などに結びついていく。

 このプロセスを経ることで、「知識」が「顧客の心をつかむ智慧」へと変わっていく。まさに、真似できない「差別化」である。そして、この「智慧」をたくさん生み出した人には、顧客を喜ばせるのみならず、指導者として多くの人々をプロに養成する道が開けていくに違いない。

 

智慧ある人を目指す

 大川隆法総裁は、情報を結晶化させて、付加価値を生み出していく方法について、次のように述べている。

「『自分の持っている知識で、少しでも世の中の役に立ちたい』『人々を啓発したい』『同じように困っている人に、解決する方法をいろいろと教えてあげたい』など、そういう高級な思考、思いが、何か必要なのではないかと思います」

 今の日本に必要なのは、智慧ある人が次々と誕生することである。政府主導の景気対策を待っていても、救いは来ない。自助努力の精神に立ち返り、世の中に幸福を広めることを志す人にこそ、智慧の光は与えられるのです。

参考

 今やパソコンやスマホなどの電子機器を使って、誰でも簡単に情報を取得できるようになるなど、情報技術の発達が社会にもたらした恩恵は大きい。しかし一方で、価値の低い情報が蔓延するなど、その弊害も見逃すことはできない。

 

情報そのものには価値がない

 ここで考えるべきは、情報そのものには価値があるわけではないということだ。情報は仕事や生活で使えるように整理されることで、「知識」となり、初めて価値が出てくる。つまり、情報の洪水の中から、いかに価値を生み出す情報を選ぶかが重要であるのだ。

 

「知識」と「智慧」の違いを認識していた松下幸之助

 さらに、その知識が経験に裏打ちされて、人生観を高めたり、人に大きな気付きを与えるレベルのものになると、それは宗教的にいう「智慧」に昇華する。

 パナソニック創業者の松下幸之助氏は「知識」と「智慧(知恵)」の違いについて、知識は道具であるが、智慧は正しさを判断することであり、知識という道具を使う人そのものであると語っている。松下氏はその違いを理解するだけでなく、智慧を体得していたからこそ、経営上難しい局面でも正しい判断を下し続けることができたのだ。

 経営学の祖であるドラッカーは、成果を上げるには時間の管理からスタートするべきと述べている。時間は人間に平等に与えられた資産だ。情報技術を、人間や組織の時間をつくるためではなく、時間を奪う方向に使ってしまえば、創造性を発揮できず、付加価値は何も生まれない。知識社会を生き抜くために、今一度、自分の時間の使い方を見直してみてはいかがだろうか。

参考

「現代から未来社会において、最も豊富な経営資源は何かというと、それは知識です。
知識だけは、どんどん増えつづけています。知識は新しい経営資源として無尽蔵のものなの

です。また、知識は拡大再生産の可能な資源であり、「新しい知識が新しい資源を生み、成果を生む。それからまた新しい知識が生まれてくる」ということがありうるのです。
 要するに、「一人ひとりがばらばらに働いていれば、その労働力の合計以上の生産物を期待することはできないが、みんなが智慧を集めて、よい仕事をすれば、一人ひとりがばらばらに働いて得られる以上の富を生み出すことができる」ということです。
 経営資源としての知識というものは、未来に向けて無限大に広がっていくものなので、常に学習する態勢をとらないかぎり、きょうは優秀なものが一年後には優秀でなくなるのです。それは、人においてもそうですし、組織においてもそうです。(『リーダーに贈る「必勝の戦略」』より)

リーダー へ

「仏法真理」へ戻る