小売業の事業計画書
小売業の場合は、「店舗を構えて商品を販売すること」が基本になります。小売業といっても様々な形態がありますが、「商品の仕入⇒商品の在庫⇒商品の販売」が基本的な流れです。
しかし、その中でも注意点があります。以下のような点に注意してください
・店舗コンセプト
・店舗立地
・仕入れルート
・在庫管理
・販売促進
1 店舗コンセプトはどのようなものか
小売業においては、自社で商品を作る場合もありますが、多くの場合、商品を仕入れて販売を行います。
よって、競合他社でも扱っている商品を販売する可能性が高いので、何らかの店舗コンセプトがないと魅力のない店舗になってしまいます。
魅力のない店舗になってしまうということは、「顧客が来店しない」もしくは「来店しても他店との価格差しか見ないので価格競争になる」ということです。
例えば、雑貨屋を経営にするにしても、「ヨーロッパで生まれ育った店長が選ぶ、こだわりのセレクト雑貨店」のようなコンセプトがあったほうが、他店との差別化が図りやすいのです。
差別化ができているということは、「魅力がある店舗(=来店したい店舗)」になっていくことになります。
2 店舗(立地)はどのような場所か
小売業は、店舗にて販売を行うことが基本です。よって、店舗の場所(立地)がどこかという点が重要です。
立地というと、「人通りの多いところがよい」というイメージがあるかもしれません。しかし、単純に人通りだけが大切なのではありません。例えば、ターゲット顧客が「ファミリー向け」である場合には、単身者が多い地域では立地がよいとは言えません。
よって、店舗コンセプトに合った(ターゲットとなる顧客層が多くいる)立地を選ぶ必要があるのです。
3 商品の仕入れルートは確立できているか
小売業は、商品を仕入れて販売するので、「商品の仕入れルート」が確立されていないと運営ができません。しかも、「仕入れられればどこでも良い」というわけではなく、「店舗コンセプトに沿った仕入ルート」を確立する必要があります。
特に、仕入れが難しい商品は顧客にとっては魅力が増す場合が多いので、いかに付加価値の高い商品を仕入れていくかもポイントとなります。
4 在庫管理はどうするのか、できているか
小売業というと、「販売する業種」というイメージが強いかもしれませんが、「在庫管理」によって店舗の存続が左右されることも多いのです。
せっかく良い商品を仕入れることができたとしても、在庫管理がしっかりできていないと、在庫品が壊れたり紛失したりして販売できない可能性があります。
大量に商品を仕入れたとしても、販売することができなければ余剰在庫となってしまい、経営を圧迫します。在庫量を減らし過ぎても「販売できるはずの時に商品がない」ということが起きかねません(「機会損失」)。目には見えにくいのですが大きな痛手となります。店舗の大きさや取り扱うアイテム数などにもよりますが、在庫管理も注意するポイントです。
5 販売促進の方法をどうするのか
「商品の販売ができるかどうか」は最も重要なポイントです。
店舗コンセプトや立地がよく、良い商品を仕入れたとしても、販売ができなければ意味がありません。
販売をするためには、店頭の陳列を工夫したり、来店数を増やすためにチラシを配ったりすることも大切になります。
また、口コミが起きるような仕組みづくりや、リピート客が増えるような施策も必要です。
その他にも、店員の接客技術の向上やPOP広告やノベルティグッズの活用など、購買意欲をかきたてるための工夫が必要となります。
販売で必要なことは、店舗作りや商品の陳列、広告、接客など幅広いのですが、店舗の売上をあげるためには重要なポイントになります。