仏教、ヒンドゥー教、キリスト教の「転生輪廻」思想
「人は何度も生まれ変わっている」と言えば、疑う人が多いでしょう。しかし、古今東西に「転生輪廻」に関する話は存在します。それは単なる偶然なのでしょうか。
人はどこから来て、死んだらどこへ行くのか
この根源的な疑問に答えるために、世界各地の宗教では、「生まれ変わり」の思想について教えてきました。
仏教では『阿含経』が転生輪廻に詳しい
仏教の基本的な思想の中には「三世(前世、今世、来世)」という概念があります。
仏典をあたると、初期仏教の経典『阿含経』などに「輪廻」についての詳細な記述があります。釈迦が悟りを開き、「三明」を得て悟りの第一段階である阿羅漢となったことが歴史的事実として書かれています。
「三明」とは、「過去世を見通す目」と「現在を見通す目」と「未来を見通す目」の三つの霊能力のことです。
釈尊が過去世、未来世を見通す「観自在力」を持つことにより、仏教における転生輪廻思想は、明確な真理として確立しました。仏教が広まった東洋の多くの地域では、生まれ変わりの思想が常識となっています。
ヒンドゥー教では転生輪廻が教義の根幹
ヒンドゥー教では、「輪廻」を教義の根幹に据えています。人は永遠に生まれ変わり、来世は前世の行為によって決定されるという教えが、ヒンドゥー教の前身のバラモン教の聖典『ウパニシャッド』に、明確に書かれています。
この「因果応報の法則(善因善果・悪因悪果)」が輪廻の思想と結びつき、インド人をはじめとする東洋の死生観・世界観を形成してきました。
聖書が示唆する「生まれ変わり」
一方、西洋はどうでしょうか。キリスト教とイスラム教では、死後の世界があることは説かれていますが、生まれ変わりについては明確に説かれていないように見えます。
しかし、実は聖書には、生まれ変わりを示唆する箇所が複数あります。
新約聖書の「マタイによる福音書」では、イエスが、洗礼者ヨハネは数百年前に死んだ預言者エリヤだと述べています。
「ヨハネの黙示録」では、イエスが「人をとりこにしようとする者は、自らもとりこにされるであろう。人を剣で殺す者は、自分も剣で殺されなければならない」と、生まれ変わりを前提とする思想について触れてあります。
初期のキリスト教では、生まれ変わりを信じていたと言えるでしょう。
このように、世界各地の宗教では生まれ変わりについて伝統的に教えられていて、世界の常識であることが分かります。