延命治療

 延命治療は、どのようにとらえればよいのでしょうか。

 平成25年版の「高齢社会白書」によると、9割以上の高齢者が「病気が治る見込みがない場合、延命治療を望まない」としています。しかし、実際には、5割以上が家族の希望などによって、身体に管を通して栄養や酸素を送る延命治療を受けています。

 死後の世界を信じている人は穏やかに亡くなることが多い。問題は、看取りの準備ができていない家族です。本人が苦しんでいるのに『一秒でも長く生きてほしい』と延命治療を希望されるので」。

 死期が近い家族に延命治療をしてもしなくても、後悔し、悩む人は多いようです。

 医学の進歩によって寿命を延ばせることは喜ばしいですが、その一方で本人や家族の願いとずれてしまうこともあるようです。

 病院で延命治療の末、苦しんで死を迎える人を見てきた医師によると、自宅で最期を過ごした方は穏やかに亡くなっていくという。

 「平穏死」は、枯れて亡くなるイメージです。自然な形に任せた方が、残りの日々を楽しむことができ、最期は眠るように穏やかに亡くなっていきます。がん でも適切に痛みを取り除けば、苦しむことはありません。しかし、日本の医学部は「延命至上主義」で、死について学ぶ機会がないのです。

 幸福の科学大川隆法総裁は、「人間の本質は、肉体ではなく魂」「人間は、魂を磨くために何度も地上に生まれ変わる存在」であるとして、死んだ後に私たちが赴く「あの世」の存在を明確に説いています。著書『勇気ある人となれ』では、次のように述べています。

 「末期の苦しみがあまり長いと、死んだあとにも苦しみを持ち越して、その状態が続くことがわりに多いので、その辺の見切りは大事だと思います。病気になって、あまり苦しくて悲惨な状態を長く続けるのはよくないのです」「『もう回復不能』と判断したら、そこで見切るのも愛かなと思います。この世の人にとってもそうですし、本人自身の魂も、『もう、あの世に還りたい』と願っている状態であれば、あまり無理をして延命を続けないほうがよいと思います」

 たとえ肉体は死んでも、魂は不滅です。人は、この世で魂を磨き、何かを為すために生まれてきます。死んだ後もあの世の生活があり、また、別の時代に別の立場でこの世に生まれ変わってくるのです。

 霊的人生観という視点を持つと、「この世で長く生きる」ということに加え、「あの世へと幸福に旅立つ」ことが重要であることが分かります。

参考

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