「特殊法人」とは

 「特殊法人」とは、特別な法律に基づいて国が直接設立した法人のことです。

 各省庁の監督の下、国から郵便貯金などで集めたお金を借りて、政府に代わって国民のためになるような仕事をする。道路や橋、住宅供給などの社会資本設備や産業振興が目的のものである。小泉純一郎内閣(2001年成立)は「聖域なき構造改革 」を行った。具体的には、官僚たちの天下り先である特殊法人の廃止・民営化であった。

( 特殊法人の例 ) 

外務省

 国際協力事業団   国際交流基金

文部科学省

 宇宙開発事業団   日本育英会   日本私立学校振興共済事業団

経済産業省

 石油公団   中小企業金融公庫

国土交通省 

 日本道路公団   都市基盤整備公団   住宅金融公庫   日本鉄道建設公団   

 

なぜ、特殊法人の見直しが必要か?

1 すでに役割を終えてしまったものがある

 特殊法人の多くは、日本がまだ貧しいころに作られた。戦後の経済成長を支え、公的資金を受けて住宅を作ったり、高速道路を作ったりと国の仕事を代行してきた。しかし、現在は、特殊法人に頼らなくても、住宅やマンションを作る民間会社はたくさんあるし、銀行は低い利子でマイホームを建てる資金を貸してくれる。わざわざ特殊法人が住宅を作ったり、お金を貸さなくてもよくなった。 戦後の復興を効率的に行うという目的から大きくそれているのが現状である。

2 赤字経営が多く、税金のムダ使いをするところになっている

 特殊法人は、税金など国のお金で仕事をしている。競争する会社もないため、効率が悪い仕事をして税金をムダ使いしていると以前から指摘された。日本道路公団を例にとると、道路族とよばれる政治家の「地元に高速道路を作れ」という圧力もあって、交通量が少ない地域にも立派な高速道路が建設されるというムダ使いが横行し、赤字区間が生まれた。通行料金だけでは建設費用が返せず、約27兆円もの赤字を抱えている(2001年)。政府から財政投融資や税金がつぎこまれることをよいことに、ムダな投資があったり、仕事の効率が悪く採算のとれないところが多い。また、仕事がうまくいかなかった時に国の税金でそれを助けていたこともあり、税金のムダ使いをするところになっている。

3 同種の民間企業が育つのに邪魔になっている

 高速道路のサービスエリアの事業は民間の参入ができない状況である。

4 公共事業などの既得権も多く、官僚の天下りの温床にもなっている。 

 このような理由から、特殊法人の廃止や民営化を考えてはどうかというのが特殊法人改革である。

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