リーダーシップの種類・タイプ

リーダーシップの種類を把握する

(1) 社員や求職者が備えているリーダーシップを見分けやすくなる

 マネジメントにおいて、自身が備えているリーダーシップを理解することは大切ですが、社員や求職者が備えているリーダーシップを見分けることも必要不可欠です。数多くあるリーダーシップの種類を理解することにより、企業に必要なリーダーシップを備えている人材を見つけやすくなります。

(2) チームに必要なリーダーを選択できる

 それぞれのリーダーシップの特徴を理解することにより、チームに最適なリーダーを様々な場面や状況によって選択することができます。しかし、注意点として、頻繁なリーダーの変更や不用意なリーダーシップの変更は、現場の混乱を招いてしまうことがあります。

 

リーダーシップの種類・タイプ

 心理学者ダニエル・ゴールマンは、リーダーシップを6つのスタイルに分類しています。

 個々により備えているリーダーシップは異なり、それぞれのリーダーシップの特徴を理解することで、自身や社員が備えているリーダーシップを把握でき、人事管理や要員計画を進める際にも役立ちます。

(1) 強制型

 「命令」や「統率」の意味があります。「強制型」のリーダーシップは、リーダーが他のチームメンバーを強く率いることで、短期間で最大限の効果がでると言われています。

(2) ペースセッター型

 リーダーが自ら「ペースメイカー」として困難に立ち向かい、成功する姿をチームに見せることを特徴としています。

 チームのメンバーは、率先してペースを作っていくリーダーの姿を見て、成功のイメージを持つことができ、モチベーションの向上にも繋がると言われているリーダーシップスタイルです。

 「ペースセッター型」のリーダーシップは、リーダーのスキルや実績がメンバーから高い評価を受けているほど効果が出やすいとされています。また、高い志を持ってリーダーの技を盗もうと努力できる集団に向いています。

(3) ビジョン型

 将来ビジョンや目標をチーム全員で共有することで、進むべき方向性を明確にするスタイルです。

 共有することにより、メンバー各自の心を一つにまとめ上げることができるリーダーシップスタイルです。

 また、「ビジョン型」のリーダーシップは、メンバーの組織やチームに対する帰属意識が高まりやすく、目標達成までの手順や方法などの細かな部分はメンバーたちに委ねられることから、自立心の向上も図ることができます。

(4) 関係性重視型

 「親和」の意味があり、人間関係を重視しながら業務に取り組むリーダーシップスタイルです。

 チームや組織の人間関係は、業務を進める上で大きな障害となってしまうこともあるため、できるだけ人間関係を良好に保つ役割をリーダーが率先して努めます。

 デメリットとしては、失敗時の責任追及や原因解明が困難となることと、コミュニケーションに時間を割きすぎてしまい、作業効率や業績が低下してしまうリスクがあることが挙げられます。よって、「関係性重視型」のリーダーシップは、チームの就業意欲や向上心が十分高まっていることを確認したうえで実施することが大切となっています。

(5) 民主型

 メンバー1人1人の意見や考えが重視され、積極的に活動内容に反映されていく民主的なリーダーシップスタイルです。

 自分の意見が採用されることで、メンバーは、チーム内における自信の存在意義を再確認することができ、より意欲的に業務に取り組んでくれるようになるとされています。

 また、「民主型」のリーダーシップは、メンバー各自のエンゲージメントやモチベーションの向上にも効果的とされています。しかし、デメリットとして、責任の所在が曖昧になりやすいことと、チーム内で意見が対立した場合に話し合いが長引いてしまうということが挙げられます。よって、リーダーは、ただメンバーの意見を採用するだけでなく、メンバー全員の意見を整理してまとめた上で、自分の見解を加えるなどの統括的なサポートを行うことが重要とされています。

(6) コーチ型

 リーダーが「コーチ的役割」を担うリーダーシップスタイルです。

 構成員の思いや個人目標を尊重しながら、個々の成長を促していくことを特徴としています。

 また、「コーチ型」のリーダーシップは、チームメンバーの個性をリーダーが正しく把握し、成功や成長の可能性を信じることで、最大のレベルの力を引き出すことが可能とされています。

 一方、デメリットとして、個人の意向を重視しすぎることにより、組織目的と実行内容に差異が生まれてしまう可能性があることです。

経営・マネジメント へ

「仏法真理」へ戻る