悪い情報の報告

 潰れる会社は、報告・連絡がうまくいかない状況が出てくる。

 それは、社員が「自己中」で、保身に走っているからである。

 上司が嫌ったり嫌がったりしても、繰り返し情報を上げてくる社員というのは信用がついてくる。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『不況に打ち克つ仕事法』で以下のように説かれました。

「潰れる会社の危機信号としては、まず、「報告・連絡の部分がうまくいっていない」という状況が出てきます。つまり、「社員が保身に走る」ということです。
 しかし、そういう自己保身をしている人が、結局は、真っ先にリストラされていくのです。自分の身を護ろうとして保身に走っているのに、そういう人のほうが、まず、リストラに遭ってしまうのです。
 まことに不思議なことですが、それは「自己中」だからです。自分中心で、お客様中心でもなく、ある意味で、上司や経営陣に対しても誠実ではありません。下が自己保身をすると、結局、上のほうの責任が増大していくことになるからです。
 上の人というのは、結果責任を取るためにいるのです。世間の人たちは、みな、「社長が自分で調理しているわけではない」「社長が自ら工場でつくっているわけではない」ということぐらい知っています。そんなことは、当然、知っていますが、結果責任を問うているということです。
 その意味で、ある情報が大事なものであるかどうかの判断は、非常に難しいことですが、その勘を磨くことがとても大事です。
 実際は、そういう危機の情報などを報告すると、嫌われることが数多くあります。そういう報告を嫌う上司はたくさんいます。
 ただ、上司が嫌ったり嫌がったりしたとしても、似たようなシチュエーションが起きたときに、繰り返し繰り返し情報を上げてくる社員というのは、実は信用されています。上の人は、嫌っているような振りをしながら、「この人は信用できる」と思っているのです。
 そういう部下がいる場合、上司は、夜、枕を高くして眠れます。「何かあったときには、あいつが必ず言ってくるはずだ」と信じているので、枕を高くして寝れるわけです。ところが、「大事な情報は、まず上がってこない」と思っていたら、安心して眠れません。「世間が知っていて、自分だけが知らない」ということも、当然、起きてきます。
 ただ、言ってくる内容が、雑情報だったり、偽情報だったり、あるいは、単なる攪乱情報だったりすることもあります。そういう場合、一回目ぐらいは許してくれますが、何度も何度も繰り返すと、今度は信用失墜になります。
 しかし、本当に上司の耳に入れるべき情報である場合、最初のうちは、「嫌だな」「しつこいな」「あいつは、常識がない」などと言われますが、たとえ嫌がられても何度も繰り返し言ってくるような人間は、逆に信用がついてきて、「あいつは、やはりすごいな」という評価になります。」
(49~51ページ)

 客というのは厳しいもので、そういうクレームを言ってくれないものであり、悪い情報はトップのところまで上がりにくいものですが、「クレームは宝の山」と考えて、耳に痛いことを受け止める度量を磨かなくてはなりません。

 なぜなら、それが次の経営資源になります。顧客のニーズを掘り起こすことにより、「どのようにして世の中に認めていただくか」という努力の方向になるからです。

 

悪い情報を上げる組織をどうつくるか

 これは「悪い情報と向き合う」ということでもある。経営者にとって、組織が大きくなるほど難しくなります。

「会社のなかで、社長が「ミニ教祖」と化していると、その社長のもとに悪いことの情報を集めるのは たいへん困難なことです。社長自身が、そういう報告を聞きたくなければ、「悪いことの情報を上げろ」ということはありませんし、部下、従業員も、そういう情報を上げたくないのです。

 よいことの情報はいくらでも社長に報告できます。誰でもそうです。「幾ら売れました」「評判がよいのです」「こんな誉め言葉を頂きました」「どこそこで このように売れました」など、良いことはいくらでも報告します。しかし、「どこそこで、これくらいクレームがありました」「返品が出ました」「不評です」など、悪いことの情報は上げたくありません。

 部下の身に立てばその通りです。悪いことを報告して、上の人に喜ばれるわけがないからです。出世をしたければ、失敗した話や都合の悪い話、クレームなどは、できれば蓋をして握り潰し、都合のよいことだけを上に通すようになります。

 役所であれ、民間企業であれ、その傾向はあります。組織が大きくなればなるほど、その傾向は出てきて、そういう保身に成功した人のみが、最後まで出世できるようなシステムになりやすいのです。

 経営者にとって耳触りのよいことばかりを言う人が上に上がってくる。経営者は、そういうイエスマンに取り囲まれて、だんだん裸の大様になるということが普通の傾向です。

 そこで、大企業においては、4年から6年ぐらいで社長が交代して、新陳代謝をすることがあります。

 また、その企業の不祥事が新聞などで取り上げられ、叩かれるときには、「トップが責任を取る」というかたちで、クレーム処理がうまくできなかったツケを払うようになっているのです。

 「トップが責任を取って辞める」ということになると、部下は全員 シュン となって引き締まります。そのため、悪いことや不祥事を隠蔽し続けたことが明るみに出ると、最後はトップの責任になります。

 「トップが社会的に糾弾されて辞めることになる」という恐怖が、実は、新鮮な風や水を入れて、組織の新陳代謝を行い、組織が腐敗しないようにするための装置になっているのです。

 ただ、最終的にトップの責任問題にまで発展する前に、クレームをよく処理するように努力することが大事です。

 その際、「クレームは宝の山なのだ」と思わなければいけません。クレームに対応し、「どうやってクレームを処理するか」ということを考えたならば、クレームは宝の山なのです。

 なぜなら、それが次の経営資源になり、顧客のニーズを掘り起こすことになり、「どのようにして世の中に認めていただくか」という努力の方向になるからです。

 したがって、耳に痛いこと、耳触りの悪いことを受け止める度量を磨かなくてはなりません。これはとても難しいことですが、努力していれば器が磨かれ、強くなってくることもあります。

 クレーム処理は非常に大事な仕事であることを知ってください。

 クレームに耳を傾ける気持ちがトップにあれば、下の者も そういう姿勢をだんだんに示すようになるのです。」(『智慧の経営』P-171~175)

 悪い情報ほどすぐに報告することを、部下に教育しましょう。

 社長などの組織の長は、いつも機嫌よくいることです。機嫌が悪そうな上司には部下はなかなか報告がしづらいので、部下の教育に加え、自分自身も相手が報告しやすくなるように努めることが大切です。だからこそ宗教修行が大切になるのです。心の平安を常に求め続け、神に不安な気持ちを預けることが大切な心がけで使用。

 もう一点は、悪い情報を報告してきた人を評価する心がけを忘れないことです。

 悪い情報ほど早く世間に広まるという性質があります。悪い情報は、良い情報の10倍も速く広がると言われています。

 一方では、「一つクレームがあると、その背後には同じように思っている人が30人はいる」とも言われています。これを裏返せば、そのクレームを改善することで、「30倍の新しい顧客を獲得する可能性がある」ということなのです。クレームをいたずらに恐れるだけでなく、宝の山なのだと考え、真摯に対処することを心がけていただきたいと思います。

「トップにとって、嫌な情報は聞きたくないものでしょう。そのため、周りの人たちは、だいたい、「よい情報だけを上げて、嫌な情報は上げない」という態度を取りがちです。
 ただ、「それで会社全体が生き残れるかどうか」という判断はしなければいけません。危ないと見たら、何としてでも、上まで情報を届けなければいけないのです。このときに、トップとしては、もちろん、ショックを受けるし、動揺もするでしょう。しかし、経営者や経営指導者は、日ごろから、それに持ち堪える「胆力」を養わなければいけません。
 また、経営においては、初めて経験するような難問が次々と出てきますが、それに対応するためには、前述したように、日ごろから、幅広く網を張りつつ情報を集め、考えを練り、瞬時に解答を出す能力を磨くことです。いろいろなものに即応態勢を取れるようにしておくことが非常に大事なのです。
(『社長学入門』より)

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