戦略と戦術

 「戦略」とは経営の目的(目標)を達成するためのシナリオで、英語では「Strategy」。それに対して、「戦術」とは戦略を達成するための具体的なアクションプランのことで、英語では「Tactics」といいます。戦略とは、企業が持続的に競争に勝っていくための考え方であり、企業の方向性を示すもの。戦術は戦略を実現していくための具体的な施策なのです。

 戦略とは「何を行うか」を決めること。一方、戦術とは「どのように行うか」を決めることです。戦略=「方向性・目標・シナリオ」、戦術=「手段・オペレーション」と捉えることができます。

 戦略とは、「市場に多くの競争相手がいる中で、実際に競争をする以前に有利な状況をつくりだすことや、あるいは競争を避けながら有利に展開するための策略」のことです。

 戦略は、全社レベルであれ、事業部レベルであれ、経営資源の配分にあると言えます。

 戦術は、戦略によって配分された経営資源を運用していくことを意味します。すなわち、戦略によって配分された資源をいかに効果的に活用・運用していくかにあると言えます。

 戦略の定義には様々なものがありますが、よく用いられる定義としては、「競争優位性によって、企業や事業の目的を継続的に達成できる構造を構築するための施策群」というものがあります。

 この定義においては、競合他社との競争に勝って利益を上げ続けることを強く意識しています。

 組織のメンバーは戦略を手掛かりにしながら仕事を進めていきます。各メンバーが同じ戦略を行動基準とすることによって、最終的にすべてのメンバーが同じ方向に向かって進むことができます。

 統一した戦略がなければ、各メンバーが独自に判断を行うことになり、個人的な好みや思惑、独断による判断が入ってくることになり、組織という協働のシステムが機能しなくなってしまいます。

 戦略は、組織が目的を達成していくために必要不可欠なものであり、その戦略をいかに作り上げていくかはマネジメントにとって重要な問題です。

 戦略というのは、大きな構想などのことであり、戦術というのは、具体的に これをどうする、こうするという次元の問題である。

 戦略はいったん立てたら簡単にコロコロと変えるべきではないが、戦術は戦略のほうが大きくずれなければ変更してもかまわない。戦略に奉仕するために戦術があると思うことである。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『常勝の法』で以下のように説かれました。

「戦略というのは、大きな構想などのことであり、戦術というのは、具体的に、「これをどうする、こうする」という次元の問題なのです。そうした戦略と戦術というものがあります。
 才能が豊富であっても失敗していく人を見ると、この戦略と戦術のところを取り違えている人が多いのです。戦術を優先して、戦略のほうを捨ててしまう人です。目先の技術的なことや小さな戦いのほうに目を奪われて、大局的な勝利をみすみす忘れていくわけです。
 これは、神経質なタイプの人で、技術者など、専門分化したものの考え方をしやすいタイプの人です。目先のことに没頭して、大局的なことを忘れやすいのです。
 こういう人は、自分を上手に使ってくれる人のところにいることが成功への道であり、みずからが人の上に立って成功することはなかなか難しいと思います。
 戦略というものは、いったん立てたら、そう簡単にコロコロと変えるべきではありません。ある程度の大づかみな範囲で考えているものなので、そう簡単に変えるべきではないのです。
 職業選択あたりが第一段階でしょうが、人生戦略として、「どういう仕事をしたいのか。自分の家族や社会的な立場をどのようにつくっていきたいのか」という部分を、ある程度、描いておく必要があります。
 その際には、最初に述べたように、あまりよこしまな心は持たずに、「自分としては、こういう人生を展開したい」という、大きな戦略を立てておくことです。その場合、「何十歳までにこういうことをする」という、十年ごとに輪切りにしたような人生計画がよいのです。「三十歳までにはこうする。四十歳までにはこうする」というようなかたちです。
 戦略を立てたら、次は、それに関して戦術をつくっていかなければなりません。戦術には多種多様なものがあるので、ある程度、自分の好みに合ったものを立ててよいのです。
 戦術というものは、もしだめなら変えていってもかまいません。戦略のほうが大きくずれなければ、戦術のほうは変更してもかまわないのです。「戦略に奉仕するために戦術があるのだ」と思うことです。そういう考え方を持ってください。
 そうすると、腹が決まり、固まってきます。ささいなことについては、あまり動揺せずに、大きな戦略を描きながら、細かいところで勝利を収めていくというスタイルです。」
(31~40ページ)

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