産業・企業・機能の融合と再編

 企業を様々な機能(企業活動)に分けたのは、20世紀初期のファヨールでした。それをコストの段階としてとらえたのが、マッキンゼーのビジネス・システムであり、つながりとして命名したのがポーターのバリュー・チェーンでした。

 この概念は どんどん拡張され、1企業を超えた産業バリュー・チェーンという考え方が20世紀末に盛んになりました。

 その企業をまたいだバリュー・チェーンの再構築のことを、マッキンゼーは「IPR(Industrial Process Redesign)」と呼び、BCGは「デコンストラクション」と呼びました。

 

 

 ポーターは、企業活動を価値の連鎖だとしてバリュー・チェーンと名付けましたが、本当は「チェーン」の意味を追求しきってはいませんでした。

 機能そのものではなく、「機能と機能のつなぎ目にこそ問題があると」最初に気づいたのがトヨタでしょう。機能間をうまく繋いでいた在庫を悪として追放し、製造機能全体を一体として管理するために「かんばん」などを生み出しました。

 

 そして、1983年、コンサルティング会社のブーズ・アレン・ハミルトンが、はじめて「サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)」という言葉を使います。生産も調達も物流も、バラバラでは改善に限界がある、その隙間にこそ問題があるのだから、一体として管理しよう、と提唱して好評を博しました。

 同じ考え方を製造側ではなく、顧客側でやったのが「顧客関係マネジメント(CRM)」であり、その開発・普及の中心となったのがアクセンチュアのような総合コンサルタント会社でした。

 もともとは、顧客情報をデータベース化して、それを販促に使おうとしたのが始まりでした。1983年、レオナルド・ベリーらが、リレーションシップ・マーケティングとして長いお付き合いを目指した販促手法を作り出しました。既存客をしっかりフォローすることで つなぎ止め、そこからの口コミで新規客を呼び寄せる、営業とマーケティングが一体となった手法でした。

 1990年代末から、さらにそれを戦略的に捉え、顧客戦略のもとに それまでバラバラだったマーケティング、セールス(営業・販売)サービスの諸機能を総合的に強化しょうとしたのがアクセンチュアたちです。

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