財務分析で重要なもの
貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書のいわゆる「財務諸表」に関しては、重要な内部資料であることは間違いありません。
しかしながら、それらの数字は過去のものであるところは注意です。
過去の数字は変えられませんから、過去3年間の財務諸表をいくらながめても時間の無駄に
なります。それよりも、社長はこれからの前向きな数字を考えるべきです。
社長は会社をどうしたいのか、どういう方向に持っていきたいのか、を考えに考えて、そのビジョンを「経営計画書」に具体的に記載して経営を行うのです。
ただ、会社の経営効率や健全性を見るために、財務分析で使えるところを最低限抑えておくと便利ではあります。
重要なものを表にしました。
項 目 |
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計 算 式 |
第◯期 |
第◯期 |
傾向 |
総資産純利益率(ROA) |
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当期純利益÷総資産☓100 |
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売上高純利益率 |
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当期純利益÷売上高☓100 |
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総資産回転率 |
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売上高÷総資本 |
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当座比率 |
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当座資産÷流動負債 |
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自己資本比率 |
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自己資本÷総資本 |
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売上債権回転率 |
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売上高÷(売掛金+受取手形) |
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在庫回転率 |
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売上高÷棚卸資産 |
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注)当座資産とは、現預金、売掛債権、有価証券など資産の中でも換金性の高いものです。
第◯期、第◯期と2期分の数値を入れてください。そうすると傾向がわかります。上記の計算式は数字が大きいほうがよい。
それゆえ、2期の比較をして数字が増えているようなら、傾向欄に↗を入れてください。もし、下がっているようなら、↘ を入れます。
これによって各数値が良くなっているか、悪くなっているかが一発で分かるようになります。
特に気を付けなければならない比率は「当座比率」です。
一般的には、流動比率が重要視されています。流動比率は「流動資産÷流動負債」の数字です。
しかし、流動資産には、棚卸資産や前払費用などが含まれるため、より厳密な安全性を見るには当座資産を使って当座比率を見るほうが良いのです。
当座比率は100%以上はほしいところです。100%以上あるということは、1年以内に返済すべき負債よりも1年以内に現金化できる資産が多いということだからです。
70%未満だと かなり危険だと見なされるでしょう。
これらの数字は参考になりますけれども、大切なことは一つの比率だけではなく、全体を通してバランスよく見ることです。
数字を見るときは傾向で見ることも大事ですし、一箇所の数字だけで全体を判断するのではなく、全体を色々な角度から見て判断することが大切です。
財務諸表は過去の数字ですから、それを見て「うん、うん」唸って考えこむよりは、会社を未来へ向かって、どういう方向へ持っていくのかを、前向きに考える時間を取るほうがよほど重要です。
社長のビジョンを事業計画、経営計画に落としこんでみてください。