石油や天然ガスは化石燃料ではない

「石油有機起源説」

 従来、石油は数億年前の動植物の死骸が堆積して化石化し、地熱と地圧の影響を受けて生成されたと説明されてきた。この化石を多く含む泥岩を根源岩といい、その上に堆積物が厚く累積した堆積盆地と呼ばれる場所で、さらにいくつかの条件が整って初めて油田が形成される。これが「有機起源説」である。

 百万年以上も前の生物や植物の遺骸が土に埋もれ、高温と高圧によって、ケロジェンと言われる物質に変わります。このケロジェンが地下の熱や土の重みを受けることで、石油と変化します。そして、石油が岩盤内の隙間に入り込み、地中の隙間が多い箇所に流れ込んで溜まることから油田が出来上がるのです。

 地下にいけばいくほどマントル層の熱を受けやすくなります。そして土の重みと土の上からの重みで物凄い圧力がかかります。この高温と高圧の影響で化石化するはずの屍骸が変質して、石油に変化する。

 有機由来説の根拠となっているのは、石油の成分や石油・石炭の発掘場所です。石油の成分には、アミノ酸などの生物由来の成分が含まれていることが知られています。また、石油や石炭が発掘される場所からは化石が見つかることがあります。この化石は石油や石炭になりきれなかったものと考えられると同時に、石油・石炭が有機由来であることを立証する根拠になると考えられているのです。

 地球に残されている石油の埋蔵量は およそ1兆1000億バレル、ちょうど琵琶湖4杯分といわれます。この量を今までの消費のペースで使うと、2040年にはなくなってしまう計算だそうです。これは基本的には液体としての原油の残量であり、それに、オイルサンドやオイルシェールというオイルを含んだ砂や岩からの精製する分を加えると、あと10兆バレルは残っている計算になります。

 しかし、オイルサンドやオイルシェールからの石油の精製はコストと時間がかかり、どうしても原油価格は高騰せざるを得ないことになるのです。

 これらの化石燃料が形成されるには長い年月が必要であり、私たちはその補充をはるかに上回るスピードでそれらを使い果たしている。これらの燃料が本当に化石燃料であるならば、供給量には限りがあり、ある時点で代替エネルギー資源を作り出す必要があるというわけです。

 

「石油無機起源説」

 無機成因論は、生物の分布から考えられない地層から石油が採れることや、石油にダイヤモンドが含まれていることなど、有機成因論では説明できない部分を指摘し、惑星が最初から貯蔵している炭化水素が、惑星内部の高圧と高熱によって石油が誕生する という説です。

 2003年、トーマス・ゴールドが主張したことで注目されるようになった説です。

 石油及び天然ガス、石炭などの資源は、常に地球内部で自然に形成されているという。これらの物質(炭化水素)が他の幾つもの天体の内部で実際に生成されている事が発見されたことであるという。地球誕生の時からすでに内部に炭化水素が存在しており、それがその形成物を地表にまで押し上げているのです。

 地球の内部には膨大な量の炭素が存在する。地殻の下にあるマグマに含まれる炭素が水素と反応して、メタンやその他の炭化水素を形成し、多くの化学的に複雑な中間段階を経る。花崗岩やその他の珪素系岩石のような特定の鉱物岩石が、枯渇しない触媒として働き、プロセスを加速させる。

 岩石の裂け目や火山の通路を通って地表近くにきたメタンの一部は、堆積岩中の生物起原物質に捉えられ、有機起原の石油と重合して、堆積岩中の石油となった。

 石油が化石燃料ではなく、自然界に存在することは第二次世界大戦後より知られていた。ナチスは、地球のマントルに存在する強い圧力と熱のもとでは、水素を含む鉱物と炭素を含む鉱物が、酸化鉄などの触媒の存在下で水素と炭素を放出することに気づいた。その結果、炭化水素の分子鎖が形成され、原油や天然ガスとなるのです。

 極端な熱と圧力の条件下では、酸化鉄、炭酸カルシウム、水をメタンや炭素原子10個までを含む炭化水素に変換できることが実験で示されている。

マントルに含まれるC-H-O成分が高圧で変性、重合化して生成されていることが、各種の研究結果から支持されている。

参考

 上部マントル及び地殻深部において、上部マントルの主要構成岩であるカンラン岩が蛇紋岩化する過程で水素が発生します。水素は、地殻深部に存在する熱水流体中の二酸化炭素と接触し、フィッシャー・トロプッシュ反応により炭化水素(油・ガス)が無機的に生成しています。地殻深部で生成された炭化水素は熱水中に含まれ、地殻を構成する結晶質基盤岩(花崗岩や片麻岩)中に発達した垂直方向の断裂やプレート境界を経由して上方移動し、基盤岩中で割れ目が集中する部分に集積して「基盤岩油・ガス田」を形成します。

地殻の断裂を通じて地表に向けて上昇する。

基盤岩中の断裂を経由して、堆積盆地内に滲出した炭化水素は、堆積層内に油・ガス田を形成します。その結果、炭化水素が堆積盆地内に滲出する箇所では、油ガス胚胎層が垂直方向に幾重にも重なって分布する結果となります。

 

 ところで、炭化水素の成因については、主に「地球創生期に隕石によって取り込まれた」(宇宙起源説)、「地殻より深い、上部マントルで岩石と水が反応して生成される」(マントル起源説)の2説がある。

宇宙説は、石油は地球創生時からすでにあったもので、それが効果的に集積したものであると考えた。これは、遊星にはメタンガスが広く分布することと、陽石中にいろいろな種類の炭化水素が含まれていることをその根拠としている。

我々の太陽系を形成しているようなガス雲の中には、大量のがある事を測定できます。同じ惑星の一つである、我々の小さな地球に関しても、他の天体が持っているような石油やガスが、地球が形成された時から既に内部に存在していると考えるのは合理的なことです。
 1962年に隕石に炭化水素が含まれていることが改めて明らかにされたこと、木星や土星、天王星、海王星などの惑星のスペクトルから、これらの惑星にアンモニアやメタンの存在することが明らかにされた。

 炭素質コンドライト(隕石)の研究によって、隕石にはメタンなどの炭化水素分子が還元状態で含まれ、炭素量が重量で5%にも達する隕石が見つかっています。

 地球は内核から地殻まで、いろいろな成分によって構成されていますが、各構成成分は、いろいろな種類の隕石成分とよく一致しているように見えます。
 とくに、地球上部の地殻物質は、かなりの部分が炭素質コンドライトの成分と一致し、それに由来しているように見えます。

 トーマス・ゴールドは、外惑星にメタンが存在している事実と、炭素質コンドライトにもメタンが含まれている事実とを結びつけ、地殻が形成されるころに、炭素質コンドライトのように揮発性に富んでいた物質が地球に取り込まれたと考えました。

 ゴールドの説く石油無機由来説は、

 「惑星が誕生する際には必ず大量の炭化水素が含まれる」

 「炭化水素は地球の内核で放射線の作用により発生する」

 「この炭化水素が惑星内部の高圧・高熱を受けて変質することで石油が生まれる」

 「炭化水素は岩石よりも軽いので地上を目指して浮上してくる」

というものである。

 

石油のマグマ起源説の有力な証拠

1 植物層より深い地層にも石油がある

 植物層よりもずっと深い地層に岩盤があって、岩盤の下の植物の堆積がありえないようなところに石油が溜まっていることがある。地下から浸み出してきたのではないだろうか。海の底に沈殿するようなこともあるだろうが、岩盤の下に入り込む可能性は考えにくい。

2 植物にはない金属物質が原油には混入している
 バナジウム、ニッケル、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、コバルト、チタン、スズ など、約30種類の金属が、数ppmから数10ppmの濃度で混入している。

 植物の化石にしては、こんなに金属が混ざるのはおかしいということのようである。これは必ずしも通常ありえないという高いレベルとは言えない。古植物学で重金属との関係を研究したものが見当たらなかった。

3 高温高圧の中で炭化水素から石油を作ることも実験的に可能

 かつて有機物は実験室では合成できなかったので、有機物といったのであるが、今では多くの有機物が合成できるようになった。高温高圧の環境では石油も合成できる。

 マグマの主成分はケイ酸塩鉱物であるが、マグマには揮発性物質も含まれている。揮発性成分で最も多いのは水で、地下深くでマグマに溶け込んでいるのは重量比 5%程度で、次に多いのは二酸化炭素だという。

 石油を作る原料「炭素、水素、酸素」は、地下に大量にあるということです。

4 油田は一度は涸れても何年か経つと再び石油が湧いてくる

 枯れた油田が また湧いてくる。時間が経つと、マグマから浸み出してくるという。

 これは、掘削技術が向上してコストが下がったため再び採掘できるとか いう意味ではなく、その油田の埋蔵量が純粋に増加する現象のことを言っている。

 

 「無機成因説」が正しいとすると、基本的に発想を転換する必要があります。この説に立つと、実質的に原油は無限に存在することになり、枯渇を恐れる必要はなくなります。しかし、油田の発見・探索に関しては、今までとは違った考え方で臨む必要があるのです。

 もし、これらの燃料が化石燃料ではなく、生物以外の物質からの自然なプロセスによって作られたものであれば、代替燃料を開発する必要性は減少します。

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