相続放棄と遺族年金

相続放棄をしたら遺族年金がもらえなくなる?

 そんなことはありません。

 遺族年金を受ける権利は、厚生年金保険法第41条により、『その権利は一身に専属するもの』であるとされています。自己の固有の財産として遺族年金を受給することができるのです。

 民法第896条ただし書の規定により、受給者が死亡した場合において相続の対象とならないとされておりまして、遺言や相続放棄による影響はないと考えられます。

民法第896条(相続の効力)  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。  但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

 これは、年金受給者の死亡による未支給年金についても同様、相続の対象となりません。

 遺族年金や未支給年金は、死亡後の遺族に係る権利であって、死亡者に関係するものではないからです。