自己顕示欲

 自己顕示欲が嫌われるのは、自分が限りなく伸びていきたいように、他の人もまた限りなく伸びていこうとしているから。

 そこで、自己顕示欲を解決するための方法の一つ目は、他の人を害している、あまりにも調和を無視した進歩の速度をゆっくりとしたものとすること。謙虚に謙虚に構えていくこと。

 二つ目は、自分の進歩が他の人の退化・停滞にならないように、同時に他の者をも押し上げていく工夫・努力を怠らないこと。他の人のために尽くすこと。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『幸福への道標』で以下のように説かれました。

「個人個人は、むしろ無限の可能性と成長を目ざして生きてゆくことで、これ自体は宇宙の法則にもかない、すばらしいことであるのですが、なぜ自己顕示欲が嫌われるのかというと、結局のところ他の人との関係において生じるものだと言い切れるわけです。すなわち自分が限りなく伸びていきたいように、他の人もまた限りなく伸びていこうとしているからです。そうすると、自己顕示欲を解決するための方法は二種類しかありません。一つは、あまりにも調和を無視した進歩が他の人を害しているわけですから、この進歩そのものの速度をゆっくりとしたものとする、という考え方です。もう一つの考え方は、一人の進歩が他の人の退化、あるいは停滞にならないように、同時に他の者をも押し上げていくための工夫・努力を怠らないということです。この二つが要点だと言えましょう。したがって、とり立てて他の人との人間関係をよくするための技法を持っていない人であるならば、進歩が目立ちすぎる、あるいは他の人の目を害しすぎると思うならば、謙虚に謙虚に構えていくことがだいじであろうと思います。すなわち、得意にならず、自分の成功を吹聴せず、静かに静かに天を摩すがごとく伸びていく、これが大切なことで、真に成功の段階になると、人びとは寡黙になり、沈黙しがちであるのもこのことであるというようにうなずけます。ほんとうに伸びてゆくときは、人びとは言葉少なくなってきます。そして静かになってきます。そういうときが、じつは成功するときであることが多いのです。ところが、成功するときに饒舌である人、これはたいてい敵を生みます。そして、何かの邪魔を待っているかのように見えます。みずからがその成功を阻害したいがごとく、多弁となり、能弁となり、饒舌となって他の人びとに嫉妬されんとするように見えます。こうして、みずから成功の芽を摘んでいるようにも見えます。こういう人はいます。しかし、真に成功する人はいつも静かです。静かですみやかで、人が気がつかないうちに、成功を仕上げていきます。そういう姿勢がだいじであると私は思います。自己顕示欲の持つ毒素を弱め、悪を抜き去るためのもう一つの技法は、なんといっても他の人のために尽くすということだと思います。縦のベクトルがあまりにも強すぎて、横のベクトルを忘れている状態ですから、この自分の進化発展に伴って他の者を限りなくよくしていこうという願いを持つことです。これについては、私もすでに述べたことがあります。こうした福、幸福の種を自分だけのものとせず、他の人のものとしていくことです。そういう考え方がとてもだいじであると思います。」

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