介護保険などの年金からの天引き

 年金を18万円以上支払われる人が65歳に到達したときは、介護保険料、国民年金保険料や住民税などが年金から天引きされるようになります。これを特別徴収」といいます。

 4月1日において65歳を迎えている人は、9月分の年金から天引きすなわち、10月15日の年金の支払いから天引きが始まります。

 これは、特別徴収の対象者である人についての情報が日本年金機構から市町村に5月31日(個人住民税は5月25日)までに通知されまして、市町村から日本年金機構に7月31日までに特別徴収依頼の通知が行きます。(つまり、年金から天引きしてくださいという指示です。)そして、10月15日の支払いから天引きが始まるためです。

 4月1日において64歳で後に65歳となった人は、市町村の指定した日の年金の支払いから天引きが始まります。

 なお、年度の途中で他の市区町村から転入した方や住民票の住所と年金の受け取りの住所が異なる方については、年金からの天引きを行うことはできないようです。市町村から納付書が届くようになり、金融機関での納付か引き落としとなります。他の市区町村から転入した方は、後に年金の支払いから天引きに変わります。

 

介護保険料の天引き

 保険料額は加入している医療保険(国民健康保険・協会けんぽ・組合健康保険・共済組合など)での算出方法によって決められますが、40歳から64歳までは、介護保険料に相当するもの(国民健康保険では「介護分」といいます)が医療保険の保険料の中に含まれておりまして、合わせて納めることになっております。

 65歳からは、介護保険料がこれら医療保険から独立するようになります。そして、10月15日(12月15日・2月15日・4月15日の場合もあり)の年金の支払いから天引きが始まります。

(参考)介護保険料(65歳以上) 別府市(平成27年~29年度)の例

段階

対象者

計算方法

年間保険料額

第1段階

老齢福祉年金受給者で世帯全員が市民税非課税の方

生活保護の受給者

世帯全員が市民税非課税で前年の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が80万円以下の方

基準額×0.45

31,000円

第2段階

世帯全員が市民税非課税で、前年の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が80万円超120万円以下の方

基準額×0.75

51,700円

第3段階

世帯全員が市民税非課税で、前年の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が120万円超の方

基準額×0.75

51,700円

第4段階

世帯に市民税が課税されているが、本人は市民税非課税の人

前年の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が80万円以下の方

基準額×0.9

62,000円

第5段階

前年の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が80万円超の方

基準額×1.0

68,900円

第6段階

本人が市民税課税で、前年の合計所得金額が120万円未満の方

基準額×1.2

82,600円

第7段階

本人が市民税課税で、前年の合計所得金額が120万円以上190万円未満の方

基準額×1.3

89,500円

第8段階

本人が市民税課税で、前年の合計所得金額が190万円以上290万円未満の方

基準額×1.5

103,300円

第9段階

本人が市民税課税者で、前年の合計所得金額が290万円以上の方

基準額×1.7

117,100円

                            基準額 68,900円

 前年度の収入総額ではなく、所得金額でみます。

前年の所得額の求め方

(1) 公的年金の所得の金額 = 受ける年金額 - 公的年金等控除額

 

受ける年金額(A)

公的年金等控除

65歳未満

130万円未満

70万円

130万円以上 410万円未満

(A)× 25% + 37万5千円

410万円以上 770万円未満

(A)× 15% + 78万5千円

770万円以上

(A)× 5% + 155万5千円

65歳以上

330万円未満

120万円

330万円以上 410万円未満

(A)× 25% + 37万5千円

410万円以上 770万円未満

(A)× 15% + 78万5千円

770万円以上

(A)× 5% + 155万5千円

 例) 65歳以上で受ける老齢年金が200万円のとき   

     200万円 - 120万円 = 所得80万円

   65歳未満で受ける老齢年金が100万円のとき   

     100万円 - 70万円 = 所得30万円

(2) 給与所得の金額 = 給与の収入金額 - 給与所得控除額

   給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。

給与の収入金額(B)

給与所得控除額

 

180万円以下

(B) ×40%

上記金額が65万円に満たない場合は65万円 

180万円超 360万円以下

(B) ×30% + 18万円

360万円超 660万円以下

(B) ×20% + 54万円

660万円超 1000万円以下

(B) ×10% + 120万円

1000万円超 1500万円以下

(B) ×5% + 170万円(B)

1500万円超

 245万円

  例)給与の収入金額90万円の場合、給与所得控除額65万円

     給与所得 = 90万円 - 65万円 = 25万円

 

国民健康保険料の天引き

 国民健康保険の保険料(国民健康保険税)額につましては、所得割、資産割、均等割、平等割の4つの中から、各市区町村が法令で規定されている組合せを決定して、一世帯当たりの年間保険料(税)額を算出します。

  40歳から64歳の国民健康保険の被保険者は、医療分・後期高齢者支援金分・介護分(第2号被保険者)を国民健康保険料として負担しますが、65歳からは、介護分(第1号被保険者)は別途介護保険料として負担することになります。つまり、介護保険料が独立となるのです。(ただ、残念なことに、65歳からの介護保険料は40歳から64歳の国民健康保険の中の介護分よりは額は多いようです。)

 4月1日において65歳を迎えている人は、9月分の年金から天引き、すなわち、10月15日の年金の支払いから天引きが始まります。4月1日において64歳で後に65歳となった人は、市町村の指定した日の年金の支払いから天引きが始まります。

(参考)

国民健康保険税の内訳

保険料 = 所得割(所得 × 税率)+ 均等割(被保険者数 × 税額)+ 平等割(一世帯につき)

  国民健康保険料 別府市(平成27年度)の例

 

医療分

後期高齢者支援金分

介護分(40~64歳)

所得割額 (1人ずつ計算)

(前年中の総所得 - 33万円) × 11.30%

(前年中の総所得 - 33万円) × 2.40%

(前年中の総所得 - 33万円) × 2.72%

均等割額 (1人につき)

被保険者数 × 27,200円

被保険者数 × 7,000円

被保険者数 × 9,800円

平等割額 (1世帯につき)

23,000円

4,600円

7,000円

最高額

510,000円

160,000円

140,000円

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