組織と人材のマネジメント
経営層がどんなに良い経営戦略を作り上げたとしても、その経営戦略に基づいて実際に仕事を進めていく組織や従業員一人一人が、経営戦略で意図されているように行動しなければ、その戦略は絵に描いた餅で終わってしまいます。
「組織と人材のマネジメント」は、企業の経営戦略を実現していくために必要なものであり、決して人事部の担当者だけの問題ではないのです。
企業において個人だけで完結する仕事はほとんどありません。
ほとんどの仕事は、社内の関係者だけでなく、顧客や競合他社、提携先や取引先等の社外の関係者が有機的に結合して機能をはたしています。
特に、目的達成のために部下を取りまとめて、人や組織を動かしていくマネージャーは、金銭的な経営資源だけでなく、生身の人間を理解して、スムーズな組織運営を行っていかなければなりません。
それでは、人を動かすためにはどうすればよいでしょうか? 大きく分けると、「仕組み」を作って人を動かす方法と、直接的に人が人に働きかける方法とがあります。
前者は「組織と人材のマネジメント」の問題となり、後者は「組織行動学」の問題となります。
この組織と人材のマネジメントを学ぶことによって、経営戦略を実行していくために必要な仕組みを理解することができます。
組織行動学の具体例としては、ビジョンづくりやコミュニケーション、コーチング等のリーダーシップがあげられます。
これら組織行動学は、組織と人材のマネジメントとともに車の両輪として組織を動かすためには必要不可欠なものであり、どちらか一つが欠けてしまうと組織はうまく機能しません。
それでは、人を動かす仕組みにはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的には、以下の3点となります。
・組織文化(組織風土・社風) ・組織構造 ・人事システム
これらを経営環境や経営戦略に合わせてどのように組み合わせていくかという問題に対する基本方針を、人事戦略といいます。
組織文化(組織風土・社風) 組織構造や人事システムは明文化された社内ルールですが、無意識のうちに社員の行動を規定しているものが組織文化です。「組織風土」や「社風」と言われることもあります。
組織文化は、一般的に創業者の想いやビジョン・哲学の影響を受けています。
社員やその家族も参加できる社内イベントを通じて、社員同士のつながりを重視する家族主義的な企業もあれば、仕事の成果を重視して、社員同士があまり顔を合わせる機会のない実力主義の会社もあります。
ただし、どのような組織文化を持つ企業であっても、その文化に従うことができなければ組織のメンバーとして認められません。
組織文化は、社員の行動だけでなく、価値観や考え方にも影響を及ぼすのです。
組織構造 組織構造を決定することによって、社員に対する職務の割り当てが行われます。仕事として
何を行い、何を行わないかが決まります。
また、誰の指示の下で仕事を行うかも決まってきます。
その組織構造は、経営戦略によって規定されます。経営戦略を実現できる組織構造でなければならないのです。