カルマ

 人生の中で強いショックを受けるような出来事や深い葛藤のことを「カルマ」という。サンスクリット語で「行為」という意味で、「業」と訳される。これは仏教などでも説かれている。

 言葉の鋭い響きもあってか、このカルマを、前世に悪事を犯したことへの罰や、逃れられない宿命という意味にとらえることがあるが、必ずしもそうではない。

 過去の行いや経験がその人の魂に刻まれたカルマとなり、心の傾向性、考え方や行動に枠をはめ、現在の幸・不幸を生み出しているという教えである。

 例えば、幼少時に親に愛されなかったり、日常的に暴力や叱責を受けていた場合、心の中に「自分は悪い子なんだ」「自分なんていないほうがいいんだ」という思いを何度も心に刻み込むことになる。逆に、誰かを傷つけた罪悪感が強く心に残っていると、「自分も傷つかねばならない」という気持ちを持つこともある。

 無意識にそうした自分に対する攻撃の心を持っていると、それが体に現れ、病気を作る原因となってしまう。人間の細胞は常に入れ替わっており、1年も経たないうちに全身の細胞はすべて、新しい細胞になるが、それでも病気が続くということは、残念ながら無意識のうちに自分自身で病気の細胞をつくり続けているということになる。

 心の力で病気を治すためにもっとも大切なことは、「病気は自分で治せると信じる」ことです。そして、「人生は一冊の問題集である」ととらえることで、病気をきっかけに、自分の人生の意義や価値を見つけ、心の成長につなげることができます。

 まず病気を前向きにとらえた上で、過去の出来事やそのときの心境を振り返ります。「大きなショックを受けた出来事が病気の原因になりやすい」とも言われているので、例えば、暴力を振るわれたり、人に裏切られたり、受験で挫折したりといったショックだった出来事を順々に思い出してみるとよいでしょう。そこから自分の傾向性が見えてくることがあるはずです。もしその中に自分を否定する思いがあれば、それが病気の原因となっている場合があります。

 病気の原因となるカルマだが、実はそれを作ったのは今世の人生に限らない。私たちは「あの世」と「この世」を「転生輪廻」する存在であり、人間の本質は霊である。私たちは、生まれる前も、死んだ後も、霊として生き続ける存在だ。その転生輪廻の過程で、過去の人生で経験した大きな心の傷がカルマとなり、次に生まれる時に病気や困難として表れることがある。

 例えば、過去世で戦国時代に敵の足を刀で斬ったとする。相手がうめき苦しむところを見れば、敵だとはいえ心にショックを受けるだろう。すると、あの世に還ってから自分を許せず、次の人生では、自ら償いのために足の事故や障害を計画することがある。このように相手を傷つけてしまった場合や、逆に、自分が深く傷ついた経験がカルマとなることもある。

 「自己反省」には、想像以上にすごい力がある。大川総裁は著書『真実への目覚め』のなかで、「自分自身で自分の間違いに気づき、反省することによって、罪を消すことができます。心のなかの記録が変わっていくのです」と、反省の宗教的な意味について述べている。

 また、『心を癒す ストレス・フリーの幸福論』のなかでは、「『私が苦しんでいるのは、今世、私がこの世に命を享けた意味を教えるためのものです。私はそのことを受け入れます。主よ、御心にお任せします』という気持ちが大事なのです。受け入れたときに、浮力が湧いてきます。そのときに奇跡が訪れます」と、神仏の救いについても述べている。

 反省で自分の間違いを修正する「自力」と、神仏にすべてを委ねた時に臨む「他力」。体験談では、この自力と他力の両方によって、医者には「治らない」と言われた病気が完治したり、飛躍的に症状が改善している。

 病気は偶然ではない――。病気の「苦しみ」は、人生という一冊の問題集のなかで、本当に大切なものに気づくために、大きな意味を持っている。

 ガンの原因は、他人を恨み攻撃する心や、逆に強い責任感ゆえに自分をいじめる気持ちであることが多い。

病気とカルマに関する幸福の科学の教え

心には創造性があり心が病気をつくることもある

 人間は神仏と同じ性質を持っている存在です。その性質のひとつが「心の創造性」です。そのため、心に不調和な思いを持つと体調が悪くなったり、病巣を生んでしまうことがあります。逆に、心を正すことで病気を治すこともできるのです。

 怒りや欲などで心に曇りをつくると、同じような心のまま亡くなった人の霊(悪霊)が引き寄せられ、憑依されてしまいます。すると自分の霊体もその影響を受けて、病気になることがあります。心の曇りをつくらないようにすることが大切です。

 皮膚病や特徴的なあざがある場合、過去世で刀や矢が刺さったり、火事で亡くなった時の、皮膚感覚が残っていることがある。

 白血病など血液系の病気の人は、過去世で他人の生命に危害を加えたことで自分を許せず、清算したいという自己破壊の思いを持っている場合がある。

奇跡的に治る人もいれば治らない人もいる

 明るく善良に生きていても、病気になったり、それが治らない場合もあります。それは、過去世のカルマを清算するため、自ら計画して病気になることがあるからです。あの世に還れば必ず意味がわかるので、「人生はこの世限りではない」と思うことが大切です。

 「自分は神の子、仏の子だ」という信仰心を持つと、自分に対する自信が生まれ、明るい未来を信じることができるようになって、生きる力が湧いてきます。すると、免疫力が上がり、病気が快方に向かったり、病気になりにくくなるのです。

 ガンの原因は、他人を恨み攻撃する心や、逆に強い責任感ゆえに自分をいじめる気持ちであることが多い。

 皮膚病や特徴的なあざがある場合、過去世で刀や矢が刺さったり、火事で亡くなった時の、皮膚感覚が残っていることがある。

 白血病など血液系の病気の人は、過去世で他人の生命に危害を加えたことで自分を許せず、清算したいという自己破壊の思いを持っている場合がある。