ビジネスパーソンの精神疾患

 長時間労働やパワハラなどにより精神を患ったことによる労災認定は、30代が最も多かったと、厚生労働省が過労死遺族らの協議会に資料を示した(2016年10月26日付産経新聞)。精神疾患の平均発症年齢は、39.0歳だという。また、脳や心臓疾患の労災の平均発症年齢は49.3歳で、50歳が最多という結果が出た。

 なぜ30代で精神疾患になる人が多いのだろうか。大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『ストロング・マインド』の中で、人生における各年代でどのような試練があり、どのような成長が求められているかについて、様々に述べている。

30代で起こる試練について

 「30歳のころに、自立のための試練が起き、『一人前の大人になっているかどうか』が試されます」

さらに、同じころの変化について

 「20代は、将来のための基礎になる部分をつくる時期です。将来、もっと重荷を背負えるために、自分を鍛えなければいけない時期なのです。そのあと、実際に重荷がかかってきます。家族を養ったり、会社などで責任ある立場に就いたりして、大勢の人たちとの関係のなかで、自分というものを確かめる時期が来るのです」

その際の心構えについて

 「『心の豊かさ』というものの大事さが分かってきた人は、結局、人間関係のなかで上手に成功するようになっていきます」

 また、各年代ごとに身につけるべき性格についても述べている。

 「10代、20代の聡明才弁(そうめいさいべん)な性格から、30代、40代で磊落豪雄(らいらくごうゆう)な性格へと変身し、さらに、40代から50代、60代にかけて、深沈厚重(しんちんこうじゅう)な性格へと変身していくことが大事です」

  「聡明才弁」・・・

   「頭脳明晰で弁舌のさわやかな人間」、「磊落豪雄」とは「リーダーとしての大きな器」、「深沈重厚」とは「智慧のあるどっしりとした人格」のこと。

 大川総裁の指摘からは、人は年齢相応に変化していくことが大切だということがわかる。とくに30代は、10代や20代までの自己実現のための仕事から、より責任のある仕事へと変わり、結婚している場合は家族の重みも出てくる時期。こうした時期に、人間として脱皮し、「社会のために」という思いを持って仕事ができるようになっていくことが、周囲から信頼を勝ち取り、成功していくための方法であるといえるだろう。

 労働環境をよくする対策に加えて、30代で起きる変化を知っておくことも大切だ。人間は、いくつになっても成長し、人物を練って自分を高めていくことができる。そうした中で一人ひとりが使命感を持ち、仕事にやりがいを感じているということが、精神疾患を防ぐ力にもなるのではないか。

 参考