健康長寿

 寝たきり期間が長くなる原因のひとつは、病院に頼り過ぎていることです。ケガなどで長期入院をすると、自分の身の回りのことはすべて他の人がやってくれるようになります。そのため、足腰も脳もどんどん衰えてしまうのです。

 医療や介護を充実させ、高齢者を手厚くサポートすることは、必ずしも「健康長寿」にはつながらないのです。バリアフリーの考え方も、転ばないために手すりをつくることは重要ですが、バリアをすべてなくすことが良いとは限りません。階段や段差など、生活の中に適度な「バリア」があることが足腰の機能を保ってくれて、寝たきりにならずに済むのです。

 寝たきり期間を縮めるために個人でできる心がけは、働いて、社会参加し続けることです。

 「生涯現役」こそ、健康長寿への道なのです。

 仕事ではなく、趣味の集いへの参加でもかまいません。「今日、行くところがある」「今日、用がある」という人には夢があり、いつまでも元気でいられます。

 よく「生活習慣が好ましい人は長生きする」と言いますが、むしろ心のあり方が大事です。夢や目標があるから、元気でいようと努力して生活習慣が良くなるのです。反対に、悩みがちで夢がない人は早く亡くなってしまうように感じます。この「心の健康」という面では、宗教的なアプローチも大切になるのではないでしょうか。

 健康で長生きし、人生の最期まで幸せで充実した日々を送っていただきたいと思います。

参考